相続した不動産の売却でかかる税金って?計算方法と売却以外の土地活用法

親から相続した不動産の売却を検討している方の中には、売却すると税金がいくらかかるのか気になる方もいるでしょう。
売却の際には控除や特例を活用することで、税金の負担を軽減できることもあります。あらかじめ仕組みを理解しておくことが大切です。
本記事では、相続した不動産の売却にかかる税金や計算方法、売却以外の土地活用について詳しく解説します。
目次
- 相続した不動産の売却でかかる主な税金は3種類
- 相続した不動産の売却にかかる税金の計算方法
- 不動産を売却する前に検討したい「土地活用」
- 土地活用をするならエリアリンクのトランクルーム経営も選択肢
- 不動産を売却するなら税金負担もシミュレーションしよう
相続した不動産の売却でかかる主な税金は3種類
相続した不動産を売却した場合、支払う税額によって手元に残る金額が変わります。不動産の売却時には、「譲渡所得にかかる税金」「登録免許税」「印紙税」が発生しますが、状況に応じて金額は変動します。
それぞれの税金の概要について理解しておきましょう。
譲渡所得にかかる税金
不動産を売却した際に利益が生じた場合は「譲渡所得」となり、所得税(復興特別所得税を含む)と住民税が課されます。
譲渡所得とは、土地や建物、株式などの資産を譲渡することによって生じる所得です。なお、不動産を売却して利益が生じなかった場合は課税されません。
適用される税率は、不動産の所有期間が5年超(長期譲渡所得)、5年以下(短期譲渡所得)いずれかによって異なり、短期のほうが高く設定されています。
相続不動産は被相続人の取得費や所有期間を引き継ぎますが、詳しい計算方法については後ほど解説します。
参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」
登録免許税
登録免許税は、不動産を売却する際に、抵当権抹消登記などを行う場合に発生する税金です。
特に、住宅ローンが残っている不動産を売却する場合は、抵当権抹消登記のための登録免許税の納付が必要です。登録免許税は不動産1個につき1,000円と決められており、土地と建物がある場合は2,000円を納付します。
なお、土地が複数筆に分かれている場合や建物が複数ある場合などは、不動産の数に応じて税額が増える点に注意が必要です。
手続きを司法書士などの専門家に依頼する場合は、別途報酬が発生します。
参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.7191 登録免許税の税額表」
参照:法務局「抵当権の抹消登記に必要な書類と登録免許税」
印紙税
印紙税は、不動産の売買契約書を作成する際に課される税金です。税額は、契約書に記載された売買金額に応じて決まり、契約書に収入印紙を貼付して納めます。
なお、不動産の売買契約書のうち、2014年4月1日から2027年3月31日までの間に作成されるものについては、以下のように軽減税率が適用されます。
| 契約書に記載された金額 | 印紙税額 |
|---|---|
| 100万円超500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円超1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1,000万円超5,000万円以下 | 1万円 |
| 5,000万円超1億円以下 | 3万円 |
| 1億円超5億円以下 | 6万円 |
| 5億円超10億円以下 | 16万円 |
参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」
相続した不動産の売却にかかる税金の計算方法
相続した不動産の売却にかかる税金を計算するには、まず譲渡所得を求めることから始めます。相続した物件の所有期間は被相続人がその不動産を取得した日から引き継がれるため、長期・短期の判定の際に注意したいポイントです。
また、相続特有の控除や特例を活用することも可能で、納税額を大幅に抑えられる可能性もあります。譲渡所得にかかる税金の計算の仕組みを正しく理解しておきましょう。
譲渡所得の計算式
譲渡所得は、以下の計算式で求めます。
譲渡所得=収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額
収入金額から不動産の取得に要した費用や売却の際に負担した費用を差し引き、さらに特別控除額が適用できる場合はその金額を控除します。
収入金額
収入金額は、不動産を売却した際に買主から受け取る売却代金のことです。
収入金額には、不動産そのものの価格のほか、買主から受け取った固定資産税や都市計画税の精算金も含めて計算します。不動産売却においては、その年の固定資産税などを売主と買主で「日割り精算」するのが一般的だからです。
なお、金銭の代わりに権利や物などを受け取った場合も、その時価が収入金額になることに注意しましょう。
参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」
取得費
取得費とは、不動産を取得するためにかかった費用のことをいいます。
具体的には、以下のものが該当します。
- 土地や建物の購入代金
- 建築代金
- 仲介手数料
- 設備費や改良費
- 登録免許税や不動産取得税
- 測量費
- 造成費
- 立退料
- 訴訟費用(遺産分割のためのものは対象外)
測量費、造成費、立退料、訴訟費用は、不動産の取得のために支払った場合に取得費に含まれ、売却のために支払った場合は譲渡費用に該当します。
建物の場合は、購入代金・建築代金などの合計から所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。
なお、被相続人がいくらで購入したのかわからない、あるいは売買契約書を紛失してしまったといった場合は、取得費を「売却代金の5%」とすることが可能です。
たとえば、不動産を3,000万円で売却した場合で取得費がわからないときは、5%の150万円が取得費になります。
参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.3252 取得費となるもの」
参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.3258 取得費が分からないとき」
譲渡費用
譲渡費用とは、不動産を売却するために直接かかった費用のことです。
主な譲渡費用として、以下があげられます。
- 仲介手数料
- 売買契約書の印紙税
- 境界を確定させるための測量費
- 借家人に退去してもらうための立退料
- 土地を売却するために建物を解体した費用や損失額
また、より有利な条件で売却するために先の契約を解除した際の違約金や、借地権売却時に地主に支払う名義書換料なども含まれます。
なお、修繕費やリフォーム代、固定資産税など維持管理のための費用は譲渡費用には含まれません。
参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.3255 譲渡費用となるもの」
特別控除額
土地や建物などの不動産を売却した場合、一定の条件を満たすと譲渡所得から特別控除額を差し引くことが可能です。
代表的なものとして、以下のものが挙げられます。
| 想定されるケース | 特別控除 |
|---|---|
| マイホームを売却した場合 | 3,000万円特別控除 |
| 被相続人の居住用財産(空き家)を売却した場合 | 3,000万円または2,000万円控除(相続人の数や家屋の要件、売却時期などにより適用可否や控除額が異なる) |
| 低未利用土地等を売却した場合 | 100万円(都市計画区域内にあること、所有期間が5年を超えること、譲渡額が一定額以下であることなどの要件がある) |
なお、特別控除の合計額は年間最大5,000万円までと定められています。これらの特別控除を活用することで、譲渡所得にかかる税金を大きく軽減できる可能性があります。
参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」
参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.3302 マイホームを売ったときの特例」
参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.3226 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除」
譲渡所得にかかる税額の計算式
譲渡所得は、不動産の所有期間によって、長期譲渡所得と短期譲渡所得のいずれかになり、税額はそれぞれ別に計算します。
| 所有期間 | 税率 | 計算式 | |
|---|---|---|---|
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 20.315%(※1) | 譲渡所得×20.315% |
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 39.63%(※2) | 譲渡所得×39.63% |
※1 所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%
※2 所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%
不動産を売却した年の1月1日において所有期間が5年を超えている場合は長期譲渡所得に該当し、譲渡所得に対し20.315%の税金がかかります。5年以下の場合は短期譲渡所得に該当し、税率は39.63%が適用されます。
なお、相続によって取得した不動産については、原則として、所有期間は被相続人が取得した日から計算します。
長期譲渡所得と短期譲渡所得では税率が2倍近く異なるため、売却のタイミングを見極めることが大切です。
参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」
不動産を売却する前に検討したい「土地活用」
不動産の売却はまとまった資金を得られる一方で、税負担が発生することを理解しておく必要があります。
売却する以外の方法として、「土地活用」も選択肢の1つです。具体的には、以下のような方法があげられます。
- 賃貸住宅経営(アパート・マンション・戸建て賃貸)
- 駐車場・コインパーキング経営
- トランクルーム経営
それぞれの特徴を確認していきましょう。
賃貸住宅経営(アパート・マンション・戸建て賃貸)
賃貸住宅経営は、アパートやマンション、戸建てなどの住居用建物で賃料収入を得る土地活用方法です。
入居者を安定して確保できれば、継続的な賃料収入を期待できます。管理会社に委託すれば、入居者対応から清掃、設備の修理手配、滞納家賃への対応などを任せられるため、手間や心理的な負担を軽減できるでしょう。
しかし、建築費用が高額になりやすいことや、空室リスクや修繕費といった長期的な負担が発生する点は十分に考慮しなければなりません。また、立地条件によっては入居者が現れず、経営が難しくなる可能性もあります。
関連記事:「マンション経営は儲からない?メリットやリスク、失敗しないためのポイントも解説」
関連記事:「アパート経営の初期費用と利回りは?シミュレーション例やリスクも紹介」
駐車場・コインパーキング経営
所有する土地を駐車場やコインパーキングとして貸し出し、利用料を得る土地活用方法もあります。建物を建てる必要がなく、舗装や区画整備、機器設置など、比較的シンプルな初期投資で始められる点が特徴です。
月極契約では定額の賃料を得られ、時間貸しでは利用回数や利用時間に応じた売上が発生します。
ただし、駐車場・コインパーキング経営も、立地条件によって収益に差が生じます。商業施設や駅の近く、住宅街などでは需要が見込めますが、条件が合わない場合は稼働率が伸びず、期待した収益を得られない可能性があります。
関連記事:「駐車場経営の初期費用って?方式別の目安や初期費用を抑える方法を紹介」
関連記事:「コインパーキング経営の収益モデルや初期費用、失敗しないポイントを解説」
トランクルーム経営
トランクルーム経営とは、所有している土地にコンテナを設置し、収納スペースとして貸し出すことで、利用者から賃料収入を得る土地活用方法のことです。近年は収納スペースに対するニーズが個人・法人ともに高まりを見せており、トランクルームを利用する方も増えてきています。
設備は基本的にコンテナの設置が中心となるため、初期費用を抑えやすい点が特徴です。また、土地を売却したいときやほかの経営方法に変更したいときに対応しやすいこともメリットです。
アパート経営や駐車場経営などに比べると、トランクルーム経営は立地条件の選択肢が広いといえます。たとえば、狭小地や変形地、日照条件が良好でない土地でも設置を検討できます。
初期費用を抑えて手軽に土地活用を始めたい方におすすめの方法です。
関連記事:「トランクルーム経営とは?初期費用や失敗しないためのポイントを解説」
土地活用をするならエリアリンクのトランクルーム経営も選択肢
エリアリンクでは、トランクルーム「ハローストレージ」を全国に約3,000物件・13万室(2026年4月時点)展開しています。初期費用0円(※)で取り組める場合もあり、10年以上の一括借り上げで、安定した収益が期待できる点がメリットです。(※土地造成費用については要相談)
トランクルームの運用・管理も代行してもらえるため、お住まいから離れた土地であっても安心しやすいでしょう。
トランクルーム経営に興味をお持ちの方は、エリアリンクのトランクルーム「ハローストレージ」をぜひご検討ください。
【エリアリンクのトランクルーム経営の詳細はこちら】
【お問い合わせ・資料請求はこちら】
不動産を売却するなら税金負担もシミュレーションしよう
不動産を売却する際には、譲渡所得にかかる税金のほか、登録免許税や印紙税などの負担が発生します。売却金額がそのまま手元に残るわけではないため、支払うべき税額を売却前にシミュレーションすることが大切です。
不動産を売却する以外にも、土地活用という選択肢もあります。賃貸住宅経営や駐車場経営などいくつか種類はありますが、初期費用を抑えられ立地条件を選ばないトランクルーム経営がおすすめです。
トランクルーム経営に興味をお持ちの方は、お気軽にエリアリンクにお問い合わせください。
トランクルーム経営ならエリアリンクの「ハローストレージ」
エリアリンク株式会社は、「世の中に便利さと楽しさと感動を提供する」を理念に掲げ、トランクルーム「ハローストレージ」の運営を行うストレージ事業を中心に、ストック型ビジネスで安定性の高い経営を推進しています。
1995年の創業より着実に成長を続け、2003年に東京証券取引所マザーズに上場、2022年には東証スタンダード市場への移行もいたしました。
エリアリンクが展開するトランクルーム「ハローストレージ」は、全国に約3,000物件・13万室を展開(2026年4月時点)展開しており、業界最大規模、掲載物件数は全国No.1(※)です。
近年、トランクルームの認知度は高まりつつあり、市場規模が拡大傾向にある業界です。
駅から遠い、地形が悪い、土地が狭いなどの理由から、マンション・アパート・駐車場経営が困難な土地でも、屋外型トランクルームなら有効活用できることから、遊休土地活用の選択肢として注目を集めています。
土地の活用方法にお困りの場合は、お気軽にお問い合わせください。
※2022年3月期 指定領域(※)における市場調査
調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
※屋内型、屋外型の合計掲載物件数・屋外型の掲載物件数において物件数 No.1
※「指定領域」=レンタルスペースの物件数の情報をWeb で公開している 8 社(エリアリンク社独自調査。2022年3月時点のウェブ上での屋内型、屋外型の合計掲載物件数・屋外型の掲載物件数上位8社)を対象として、物件数を No.1 検証調査

監修者|水野 崇(みずの たかし)
水野総合FP事務所代表。東京理科大学理学部卒業。中学、高校、大学、専門学校で金融経済教育を行うほか、テレビ朝日、BSテレ東、TOKYO MXの番組に出演。NHKドラマ「3000万」家計監修。独立系FPとして、相談、執筆・監修、講演・講師、取材協力、メディア出演など幅広く活動している。
<資格>宅地建物取引士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者 ほか