相続税が払えない土地はどうする?原因とリスク、4つの対処法を解説

親から土地を相続した方の中には、相続税の支払いに不安を感じている方もいるでしょう。相続税が払えない場合、どのようなペナルティがあるのかも気になるところです。
本記事では、土地の相続税が払えなくなる原因や、払えない場合のリスク、対処方法などについて詳しく解説していきます。
相続税の支払いに不安がある土地の活用方法も紹介するため、あわせて確認していきましょう。
目次
土地の相続税が払えなくなる3つの理由
土地の相続税が払えなくなる理由として、主に以下の3つがあげられます。
- 現金が不足している
- 相続税が高額
- 納付期限が短い
土地の相続税は、資金を計画的に準備しておかなければ、納税時に不足してしまう可能性があります。ここでは、相続税が支払えなくなる主な理由について解説します。
現金が不足している
相続した資産の多くが不動産の場合、手元の現金や預貯金が足りず、相続税が支払えないことがあります。土地は価値があってもすぐに現金化しにくい資産であるため、預貯金が少ない場合は納税資金の確保が難しくなります。
相続税は、原則として金銭で一括納付する必要があります。そのため、相続財産が土地や建物などの不動産中心の場合は、納税資金が不足しやすい点に注意が必要です。
参照:国税庁「相続税の納付」
相続税が高額
相続税が想定より高くなった場合、納税資金が不足する可能性があります。特に、都市部や再開発エリアなど、地価が高い地域では相続税額が大きくなりやすい傾向があります。
相続税は、土地の相続税評価額(路線価など)をもとに計算するのが原則です。近年、都市部を中心に地価の上昇が続いており、地域によっては郊外にも上昇傾向が見られます。
地価の高い地域では評価額が高くなりやすいうえ、日本の相続税は、相続財産の総額が大きくなるほど高い税率が適用される仕組みです。そのため、土地の評価額が上がると、相続税額も増える可能性があることは覚えておきましょう。
納付期限が短い
相続税の納付期限は、相続開始を知った日の翌日から10カ月以内です。期間が限られているため、資金の確保が間に合わないケースがあります。
遺産分割協議や相続手続きに時間がかかり、土地の売却まで進められないことも珍しくありません。
また、土地売却はすぐに決まるものではなく、買主が見つからないことや、見つかっても売却金額の合意に至らないこともあります。
こうした事情により、納付期限までに資金を確保できないケースが多く見られます。
参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.4205 相続税の申告と納税」
土地の相続税が払えない場合の3つのリスク
土地の相続税が払えない場合、以下のようなリスクが考えられます。
- 延滞税・加算税の発生
- 財産差し押さえの可能性
- 土地売却を迫られる可能性
相続税を納付しないまま放置すると、延滞税が発生するほか、申告状況によっては加算税が課される可能性もあります。また、財産の差し押さえを受けるおそれもあるため、主なリスクを確認しておきましょう。
延滞税・加算税の発生
相続税の納付期限を過ぎると、延滞税が発生します。延滞税は利息に相当するもので、本来の相続税額に加えて支払う必要があります。
延滞税は、納付が遅れた日数に応じて課されます。原則として、納期限の翌日から2カ月を境に税率が変わります。
また、相続税を期限までに申告しなかった場合や、本来より少ない税額で申告していた場合には、無申告加算税や過少申告加算税が課されることがあります。
ただし、過少申告加算税は、税務調査の通知前に自主的に修正申告を行った場合など、一定のケースでは課されないこともあります。
参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.9205 延滞税について」
参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.2026 確定申告を間違えたとき」
参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.2024 確定申告を忘れたとき」
財産差し押さえの可能性
相続税の未納状態が長く続くと、税務署による滞納処分の対象になることがあります。土地を守るために納税を後回しにした結果、差し押さえにより土地を失う可能性も否定できません。
差し押さえの対象は、預貯金や給与、不動産などの財産ですが、対象となる財産を自分で選ぶことはできません。
土地や建物の場合、差し押さえ後に公売などによって売却され、売却代金が相続税の納付に充てられるケースもあります。自分の意思とは関係なく処分されるため、希望する条件で売却できないリスクがあることは覚えておきましょう。
土地売却を迫られる可能性
土地の売却以外の方法で納税資金を準備できない場合、相続した土地を売却して税金を支払わざるを得ないことがあります。相続後に土地を利用する予定がある場合は、計画を見直す必要が生じるでしょう。
しかし、土地の売却はすぐにできるわけではなく、買主が見つかるまで時間がかかることも少なくありません。売却を急ぐあまり、相場より低い価格で手放してしまうことも考えられます。
また、立地や条件によっては希望通りの価格で売却できず、納税資金を十分に確保できないおそれもあります。
土地の相続税が払えない場合の4つの対処方法
土地の相続税を納付する資金が準備できない場合の対処法として、主に以下の4つがあげられます。
- 土地売却による納税資金の確保
- 金融機関からの借り入れ
- 延納制度の利用
- 物納制度の利用
それぞれのメリットや注意点を理解し、自分の状況に合った方法を検討しましょう。
土地売却による納税資金の確保
相続した土地を売却して、相続税の納税に充てる方法があります。相続税の支払いのために不動産売却を選ぶ人も少なくありません。
ただし、売却までに時間がかかることがあります。相続した土地は、遺産分割協議や相続手続きが終わらないと売却に進めないケースも多く、納付期限に間に合わない可能性もあります。
なお、遺産分割の方法によっては、代償分割により他の相続人から金銭を受け取り、その資金を納税に充てることも考えられます。
先述したとおり、納付期限は相続開始を知った日の翌日から10カ月以内と決められているため、早めに売却活動を始めることが大切です。
とはいえ、急いで資金化しようとするあまり、相場より低い価格で売却してしまう可能性もあります。また、売却して利益を得た場合は、譲渡所得税がかかることもおさえておきましょう。
金融機関からの借り入れ
金融機関から融資を受けて、相続税の納付資金を準備するのも選択肢の1つです。相続した土地を担保に、不動産担保ローンなどを利用するケースもあります。
土地を早急に売却せずに済むため、継続して土地を利用できます。また、売却する場合も、時間に余裕を持つことで、納得感のある価格で取引しやすくなる点がメリットです。
返済は、不動産収益や将来的な売却資金で行うことが考えられます。ただし、借り入れである以上、利息の支払いが発生します。
また、融資申し込み時には金融機関の審査があり、結果によっては借り入れできない場合もあります。
延納制度の利用
相続税の延納制度を利用する方法もあります。延納制度とは、相続税を金銭で一括納付することが困難な場合に、担保を提供して分割で納付する制度です。
利用するには、相続税額が10万円を超えていること、納期限までに金銭で納付することが困難であること、担保を提供できることなど、一定の要件を満たす必要があります。要件に該当する場合は、税務署に申請して手続きを行います。
担保として提供できるものとして、主に以下のものがあげられます。
- 土地
- 国債・地方債
- 社債その他有価証券(※)
- 保証人の保証(※)
※税務署長が確実と認めた場合
延納期間は相続財産の内容によって異なり、最長20年まで認められる場合があります。ただし、延納期間中は利子税の納付が必要です。
参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.4211 相続税の延納」
物納制度の利用
相続した財産そのものを、相続税の代わりに納める物納制度を利用できるケースもあります。物納は、土地や建物などの不動産を国に納める方法です。
ただし、物納が利用できるのは、延納によっても相続税の納付が困難な場合です。また、物納に充てられる財産には、以下のように優先順位が決められています。
- 不動産、船舶、国債証券、地方債証券、上場株式など(※)
- 不動産・上場株式のうち物納劣後財産に該当するもの
- 非上場株式など(※)
- 非上場株式のうち物納劣後財産に該当するもの
- 動産
※特別の法律により法人の発行する債券・出資証券を含むが、短期社債は除く
物納は要件が細かく定められているため、専門家や国税局電話相談センターなどに相談することをおすすめします。
参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.4214 相続税の物納」
土地を活用する方法
ここまで、相続税が払えない場合の土地に関する対処法などをご紹介してきました。ここからは、土地を所有する方に向け、長期的な収益確保や資産活用の手段としての「土地活用」をご紹介します。
具体的には、以下のような土地活用方法があります。
- アパート・マンション経営
- 駐車場・コインパーキング経営
- トランクルーム経営
納税資金の確保状況や今後の土地の使い道を踏まえ、売却以外の選択肢として土地活用についても検討してみましょう。
アパート・マンション経営
アパート・マンション経営は、相続した土地にアパートやマンションを建て、入居者から家賃収入を得る土地活用方法です。家賃収入を、借り入れ返済や将来的な収益確保に充てられる可能性があります。
ただし、建築費用など初期投資が高額になりやすいため、事業を始めるには新たな借り入れが必要になるケースもあります。
ほかにも、空室リスクや建物管理の手間、修繕費の発生など、運営上の負担も考慮しなければなりません。アパート・マンション経営に取り組む際は、収支計画や需要を確認したうえで慎重に判断しましょう。
関連記事:「マンション経営は儲からない?メリットやリスク、失敗しないためのポイントも解説」
関連記事:「アパート経営の初期費用と利回りは?シミュレーション例やリスクも紹介」
駐車場・コインパーキング経営
駐車場・コインパーキング経営は、所有する土地を駐車場やコインパーキングとして貸し出し、利用料を収益として得る土地活用方法です。基本的に建物を建てる必要がないため、初期投資を抑えて始めやすい点がメリットです。
ただし、立地条件には注意が必要です。駅前や商業施設の近く、住宅街などでは一定の需要が見込まれる一方、駅から遠い場所など駐車場需要が少ないエリアでは、稼働率が伸びず、期待した収益を得られない可能性があります。
関連記事:「駐車場経営の初期費用って?方式別の目安や初期費用を抑える方法を紹介」
関連記事:「コインパーキング経営の収益モデルや初期費用、失敗しないポイントを解説」
トランクルーム経営
トランクルーム経営は、所有している土地にコンテナなどを設置し、収納スペースとして貸し出すことで、利用者から賃料収入を得る土地活用方法です。
近年、都市部を中心に収納スペースへのニーズが高まっており、トランクルーム経営も土地活用の選択肢の1つとして注目されています。
トランクルーム経営は、アパート経営や駐車場経営に比べると、比較的幅広い条件で検討しやすい点が特徴です。駅や繁華街から離れた土地、地形に特徴がある土地、店舗を建てるには狭い土地などでも、活用を検討できる場合があります。
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関連記事:「トランクルーム経営とは?初期費用や失敗しないためのポイントを解説」
相続税の支払いに不安がある土地は早めの対策が大切
親から相続した土地の相続税が払えない場合、そのまま放置しておくと延滞税が発生するほか、申告状況によっては加算税が課される可能性もあり、最終的には財産が差し押さえられるリスクがあります。
相続税の納付資金を準備するには、土地を売却したり、金融機関から借り入れをしたりする方法があります。一方で、土地をすぐに売却せず、将来的な収益源として活用するという選択肢もあります。
トランクルーム経営は、比較的幅広い立地で検討しやすく、初期費用を抑えやすい土地活用方法といわれています。トランクルーム経営に興味をお持ちの方は、全国に展開中のエリアリンクのトランクルーム「ハローストレージ」をぜひご検討ください。
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調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
※屋内型、屋外型の合計掲載物件数・屋外型の掲載物件数において物件数 No.1
※「指定領域」=レンタルスペースの物件数の情報をWeb で公開している 8 社(エリアリンク社独自調査。2022年3月時点のウェブ上での屋内型、屋外型の合計掲載物件数・屋外型の掲載物件数上位8社)を対象として、物件数を No.1 検証調査

監修者|水野 崇(みずの たかし)
水野総合FP事務所代表。東京理科大学理学部卒業。中学、高校、大学、専門学校で金融経済教育を行うほか、テレビ朝日、BSテレ東、TOKYO MXの番組に出演。NHKドラマ「3000万」家計監修。独立系FPとして、相談、執筆・監修、講演・講師、取材協力、メディア出演など幅広く活動している。
<資格>宅地建物取引士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者 ほか