不動産売却にかかる費用一覧!売却費用を抑える特別控除も紹介

土地売却

掲載日:2026年05月26日
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不動産の売却を検討するにあたり、どのくらい費用がかかるか気になる方は多いでしょう。不動産の売却には税金や手数料などの多岐にわたる費用が発生し、想像以上に高額な出費になることもあります。具体的な費用の内訳を把握し、計画的に準備していくことが大切です。

本記事では、不動産売却にかかる費用の項目や不動産売却にかかる費用を抑えられる特別控除・特例などについて解説します。ぜひ参考にしてください。

目次

不動産売却にかかる費用の一覧表

不動産を売却する際に発生する費用は、仲介手数料だけではありません。以下のような費用を見込んでおく必要があります。

費用名費用の目安
仲介手数料売買価格×3%+6万円+消費税(売買価格400万円超の場合の上限)
印紙税契約金額に応じて決まる
登録免許税・抵当権抹消費用抵当権抹消登記の登録免許税は不動産1件につき1,000円
測量・境界確定費用30万〜80万円(土地の状況や隣地立ち会いの有無などで変動)
解体費用家の構造や周辺環境によって変動する
ハウスクリーニング費用物件の広さや汚れの程度などで変動する
引っ越し費用移動距離や荷物の量、時期によって変動する
譲渡所得税(売買価格-取得費-譲渡費用-特別控除額)×税率

なお、住宅ローン残債がある場合は、金融機関や手続き方法によって一括繰上げ返済手数料がかかることがあります。

仲介手数料

仲介手数料とは、不動産の売却が成立した際に不動産会社に対して支払う成功報酬のことで、宅地建物取引業法によって上限が定められています。売買価格が400万円を超える場合の上限は、「売買価格×3%+ 6万円+消費税」で算出します。

仲介手数料は売却契約が成立した際に発生する費用のため、契約期間中に売却できなければ支払う必要はありません。

印紙税

印紙税とは、契約書や領収書などの課税文書にかかる税金です。課税文書に収入印紙を貼付して消印することで納税したとみなします。納税にあたって税務署への申告などの手続きは不要です。

消印がないと納税したとみなされない場合があるため、注意が必要です。文書の種類と契約金額によって印紙税額が決められています。

参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」

登録免許税・抵当権抹消費用

住宅ローンの残債がある場合、売却時にはローンを完済し、抵当権を抹消する必要があります。

抵当権抹消登記の登録免許税とは、抵当権抹消登記を行う際に課される税金のことを指し、不動産1件につき1,000円です。土地と建物の両方に抵当権が設定されている場合はそれぞれ課税されるため、登録免許税は合計2,000円になります。

不動産の登記や申請手続きには一定の知識が必要なため、司法書士などの専門家に手続きを依頼する場合は、別途報酬が発生します。

測量・境界確定費用

土地の測量とは、土地の面積や形状などを確認するための作業です。また、隣地との境界が不明確な場合には、境界確認や境界確定のための対応が必要になることがあります。

不動産の売却にあたって全てのケースで必要になるわけではありませんが、境界が不明確な場合などには、売却手続きや価格交渉に影響することがあります。

測量に必要な費用の目安は、一般に30万〜80万円程度とされますが、隣地との境界確認が必要なケースや、土地の形状が複雑なケースでは、測量や境界確定に時間と費用がかかることがあります。状況によっては、法務局の「筆界特定制度」の利用を検討する場面もあるでしょう。

解体費用

家を解体して更地として売却する場合、解体費用が必要です。解体費用の相場は木造・鉄骨・鉄筋コンクリートなどの家の構造によって異なります。

また、同じ面積と構造の建物でも、周辺環境によって費用は変動します。「敷地や前面道路の幅が狭く、重機の搬入が難しい」「建物の周囲に付帯物が多い」場合などは、撤去に手間と時間がかかるため、費用が高くなる傾向があるでしょう。

複数の業者から見積もりを取って比較検討することが大切です。

関連記事:「空き家の解体費用はいくら?高額になる7つのケースと費用を抑えるコツ」

ハウスクリーニング費用・引っ越し費用

家の汚れの程度によっては、ハウスクリーニングを行うことで印象がよくなり、売却活動を進めやすくなることがあります。費用は部屋の広さや部屋数、汚れの程度、居住中か空き家かによって変わります。

また、売却に伴い引っ越しをする場合は引っ越し費用も発生します。引っ越し費用は移動距離や荷物の量、依頼する時期によって変動します。

少しでも費用を抑えたい場合は、引っ越しの繁忙期とされる3~4月を避けるとよいでしょう。

譲渡所得税

不動産を売却して得た利益を譲渡所得と呼び、譲渡所得には譲渡所得税がかかります。

譲渡所得税は、「(売買価格-取得費-譲渡費用-特別控除額)×税率」で計算され、譲渡所得が大きいほど納税額も大きくなります。

なお、取得費や譲渡費用の内容は国税庁の定めに基づいて判断されます。

譲渡所得税は「短期譲渡所得」か「長期譲渡所得」によって税率が変わるため、注意が必要です。判定は、譲渡した年の1月1日時点の所有期間で行われます。

また、一定の条件を満たす場合は「3,000万円特別控除」を利用できるケースもあるため、事前に条件に当てはまるか確認しておきましょう。「3,000万円特別控除」については、後ほど詳しく解説します。

参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」

不動産売却の費用が想定より高くなるケース

ここまで、基本的な不動産売却にかかる費用について解説しました。売却する不動産の条件によっては、想定以上に費用がかかることもあります。

特に、以下のようなケースの場合、売却費用が一般的な相場よりも高額になることがあるため、注意しましょう。

  • 相続登記が未了の場合
  • 共有名義の場合
  • 境界未確定・越境問題がある場合

それぞれについて詳しく解説します。

相続登記が未了の場合

不動産の名義変更が済んでいなければ、そのままでは売却を進めにくいため注意が必要です。相続した不動産を売却する場合は、原則として、被相続人名義から相続人名義へ変更する相続登記の手続きが必要です。

以前は、相続登記は義務ではありませんでしたが、2024年4月1日から義務化されました。相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。司法書士に相続登記を依頼する場合の費用相場は、5万~15万円程度です。

相続登記にあたって遺産分割協議が必要な場合は、売却までに時間がかかる場合があります。

共有名義の場合

共有名義の不動産を全体として売却する場合は、原則として共有者全員の同意が必要です。相続によって共有名義となった不動産では、「売却したい人」と「残したい人」で意見が対立するケースも少なくありません。

共有者全員の同意が得られない場合、相続によって共有名義となった不動産では、遺産分割協議の中で「代償分割」や「分筆」の手段を取るケースがあります。代償分割とは、相続人の1人が単独で不動産を相続し、その代償として他の相続人に代償金を支払って精算する方法です。分筆とは、1つの土地を2つ以上の土地に分割し、それぞれの土地を登記することをいいます。

相続人間で意見が合わない場合、交渉が長期化するリスクがあるでしょう。

境界未確定・越境問題がある場合

不動産売却における代表的なトラブルの原因の一つが、「境界未確定」および「越境」の問題です。境界未確定とは、何らかの理由で土地の境界線が明確でない状態をいいます。越境とは、建物の一部や樹木、塀、配管などが隣地に入り込んでいる状態を指します。

このような問題があると、売買の条件調整や説明事項が増え、買主側が慎重になりやすくなります。状況によっては、法務局の筆界特定制度の利用や、土地家屋調査士などの専門家への相談が必要なケースもあります。ただし、筆界特定制度は土地の筆界を特定する制度であり、越境の内容によっては別途対応が必要になる場合もあります。

境界未確定や越境の問題がある場合は、すぐに売却できるとは限らず、解決までに一定の時間がかかる可能性があることを理解しておきましょう。

不動産売却時の税負担を抑えられる特別控除・特例

不動産売却時の税負担を抑えられる特別控除・特例にはいくつかの種類があります。それぞれ適用条件が異なるため、事前に内容を把握し、条件に当てはまるか確認することが大切です。ここでは、以下の2つの特別控除・特例を詳しく解説します。

  • 3,000万円特別控除
  • 10年超所有軽減税率の特例

なお、不動産売却時の税負担を抑えられる特例の1つである「特定のマイホームを買い換えたときの特例」は、2025年12月31日までに売却することが要件のため、現在は新たに利用できないことに注意しましょう。

3,000万円特別控除

3,000万円特別控除とは、マイホームの売却によって得た譲渡所得から、最高3,000万円まで控除できる特例です。所有期間の長短に関係なく適用の可能性があり、譲渡所得税の負担を抑えやすくなります。

この特例を利用できる基本的な条件は、売却した不動産が「自分が主に住んでいた家屋とその敷地」であることです。また、以前に住んでいた家でも、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売るなど、一定の要件を満たせば対象になる場合があります。

一方で、親子や夫婦など特別の関係がある人に売却した場合は対象外です。さらに、売った年の前年・前々年にこの特例や一定の特例の適用を受けていないことなどの要件もあります。3,000万円特別控除の適用を受けるには、確定申告が必要です。

参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.3302 マイホームを売ったときの特例」

10年超所有軽減税率の特例

10年超所有軽減税率の特例は、所有期間が10年を超える不動産(マイホーム)を売却する場合に、長期譲渡所得に対する税率が軽減される制度です。判定基準は、売った年の1月1日時点で、家屋やその敷地の所有期間がともに10年を超えているかどうかです。

具体的な税率は、以下のとおりです。

6,000万円以下の部分6,000万円超の部分
所得税10.21%15.315%
住民税4%5%
合計14.21%20.315%

※所得税には復興特別所得税を含みます。

10年超所有軽減税率の特例を活用すれば、譲渡所得税の負担を抑えることができます。3,000万円特別控除との併用も可能です。この特例を受けるためには、税務署への確定申告が必要です。

参照:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)|No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」

不動産売却の費用負担が気になる場合は土地活用も検討

ここまで、不動産売却に必要な費用について解説しました。売却する不動産の条件によっては、想像以上に費用がかかるケースも少なくありません。

不動産売却にかかる費用負担が気になるのであれば、売却ではなく「土地活用」も検討しましょう。

土地活用によって、中長期的な収入を得られる可能性があります。また、活用方法によっては、住宅用地の特例による固定資産税の負担軽減や、相続時の評価に関する特例の対象となる場合もあります。

土地の立地や形状に応じてさまざまな選択肢があるため、自身に合った土地活用方法を検討してみることが大切です。

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不動産売却は費用を正しく把握してスムーズに進めよう

不動産売却には多くの費用が発生します。資金計画を立てたうえで進めましょう。仲介手数料や譲渡所得税は高額になることもあるため、事前に費用を計算し備えておくことも大切です。不動産売却の全体像を理解し、どのタイミングでどのような手続きや費用が発生するかを把握しておきましょう。

今回解説した3,000万円特別控除や10年超所有軽減税率の特例を利用できれば、譲渡所得にかかる税負担を大きく抑えられる可能性があります。使える制度がないか、売却前に確認しておきましょう。

また、土地活用に取り組んでみたいという場合は、トランクルーム経営も選択肢の1つです。

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水野 崇さん

監修者水野 崇(みずの たかし)

水野総合FP事務所代表。東京理科大学理学部卒業。中学、高校、大学、専門学校で金融経済教育を行うほか、テレビ朝日、BSテレ東、TOKYO MXの番組に出演。NHKドラマ「3000万」家計監修。独立系FPとして、相談、執筆・監修、講演・講師、取材協力、メディア出演など幅広く活動している。
<資格>宅地建物取引士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者 ほか