駐車場経営にかかる税金って?種類や節税方法、よくある質問も解説

所有している土地での駐車場経営を検討している方の中には、どのような税金がかかるのか知りたい方もいるでしょう。
本記事では、駐車場経営にかかる税金の種類や概要を解説するとともに、節税方法についても解説します。
駐車場経営の税金について不安を解消するために参考にしてください。
目次
- 駐車場経営にかかる税金って?
- 駐車場経営にかかる税金(1)土地に関する税金
- 駐車場経営にかかる税金(2)収益に関する税金
- 駐車場経営にかかる税金(3)条件によって発生する税金
- 駐車場経営の節税方法
- 駐車場経営の税金に関するよくある質問
- 駐車場経営にかかる税金を正しく把握しよう
駐車場経営にかかる税金って?
駐車場経営においてかかる税金には、主に以下の3パターンがあります。
- 土地に関する税金
- 収益に関する税金
- 条件によって発生する税金
すべての方に同じ税金がかかるわけではなく、経営方式や収入規模によって税負担は変わります。そのため、「どの税金が自分に関係するのか」を整理して理解することが重要です。
では、3つのパターンそれぞれについて確認していきましょう。
駐車場経営にかかる税金(1)土地に関する税金
土地に関する税金として、固定資産税と都市計画税があります。
これらは土地を所有している限り発生する税金であり、駐車場経営を検討する際には必ず把握しておく必要があるものです。
なお、土地に関する税金は事業収益の有無に関係なく発生するため、更地でも駐車場でも原則として課税対象になります。
それぞれの税金の概要を確認していきましょう。
固定資産税
固定資産税は、土地や建物などの固定資産を所有している方に課される税金です。
固定資産税は、固定資産税評価額(課税台帳に登録された価格)をもとに算出され、駐車場でも原則として課税されます。
ただし、住宅用地とは税負担の考え方が異なる点に注意が必要です。住宅用地には「住宅用地の特例措置」が適用され、住宅1戸につき200平方メートルまでの部分(小規模住宅用地)については、固定資産税の課税標準額が6分の1相当額に軽減されます。
しかし、駐車場には住居用の建物がないため住宅用地の特例措置が適用されず、税負担が大きくなるのが一般的です。
そのため、住宅用地を更地にして駐車場へ転用する場合、それまで受けていた税制上の優遇措置が対象外になり税額が大幅に増大することになります。
関連記事:「土地の固定資産税とは?計算方法や軽減措置などをわかりやすく解説」
都市計画税
都市計画税は、都市計画事業や土地区画整理事業のために市町村が課す税金です。
原則として市街化区域内の土地が対象で、固定資産税と同時に課税されることが多いです。駐車場の場合も免除されるわけではないため、固定資産税とあわせて理解しておく必要があります。
都市計画税においても住宅用地の特例措置が設けられており、住宅1戸につき200平方メートルまでの部分(小規模住宅用地)については、都市計画税の課税標準額が3分の1相当額に軽減されます。
駐車場は住宅用地の特例措置の対象外となります。そのため、住宅用地を転用する場合、固定資産税と同様に税負担が増加するケースがあることに注意が必要です。
駐車場経営にかかる税金(2)収益に関する税金
駐車場経営で収益が発生した場合、その収益に対して「所得税」や「住民税」がかかることがあります。税負担は所得の金額によって変わります。
ただし、いずれも売り上げの全額に課税されるわけではありません。売り上げから諸経費を差し引いた「所得」に対して課されるため、管理費や修繕費といった経費を適切に計上することで、課税対象となる所得を圧縮できます。
所得税と住民税について詳しくみていきましょう。
所得税
所得税は、駐車場経営によって得られた1年間の所得に対して課される税金です。合計所得金額から各種所得控除を差し引いた「課税所得」に、所定の税率を掛けて計算します。
所得には給与所得や利子所得など10種類がありますが、駐車場経営による収益は、不動産所得または事業所得に該当するのが一般的です。
また、所得税は累進課税方式を採用しており、所得が高くなるほど税率が上がる仕組みで、税率は5〜45%の7段階に区分されています。
参照:国税庁「所得税のしくみ」
住民税
住民税は、前年の所得をもとに課される税金で、駐車場経営で得られた収益も課税対象になります。
住民税は、主に「所得割」と「均等割」の2つで構成されており、それぞれ以下のように金額が決まります。
| 税金 | 詳細 |
|---|---|
| 所得割 | ・所得に応じて負担が決まる税金 ・収益が出た翌年度に、所得控除後の課税所得に対して一律10%が課税 |
| 均等割 | ・前年の所得にかかわらず定額で課される住民税 ・標準税額は年4,000円 ・2024年度からは森林環境税として年1,000円が上乗せされ、合計で年5,000円程度となるケースが一般的 |
なお、住民税の徴収方法には2種類あります。普通徴収(個人で納付)の場合は、納付通知書が翌年6月頃に本人宛てに送付されます。一方、特別徴収(給与天引き)の場合は、税額通知書が毎年5月31日までに勤務先宛てに送付され、6月分の給与から天引きが始まります。
参照:財務省「身近な税」
参照:総務省「個人住民税」
駐車場経営にかかる税金(3)条件によって発生する税金
駐車場経営を行うすべての方に必ず発生するわけではありませんが、経営方式や設備の有無などの条件次第では、別途、税金がかかるケースがあります。
たとえば、消費税や償却資産税、個人事業税などです。
税金が課せられるケースについて認識していないと後から負担が生じることがあるため、事前に忘れずに確認しましょう。
消費税
駐車場経営の場合は、選択するビジネスモデル(形態)や設備の状況によって、消費税の課税の有無が異なります。
単なる土地の貸付け(更地に近い未整備の状態)に該当する場合は、消費税は非課税となります。ただし、地面の整備や区画線・フェンスの設置などを行ったうえで、月極駐車場として土地を活用するケースでは、原則として課税対象です。また、貸付期間が1カ月未満の場合も課税対象となります。
コインパーキングや時間貸し駐車場は、施設の利用やサービスの提供と位置づけられるため、消費税が課されます。
なお、消費税の納税義務は、基準期間(個人事業者の場合は2年前)の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかで判定される点に注意が必要です。基準期間の課税売上高が1,000万円以下であっても、特定期間の要件に該当する場合や、インボイス事業者として登録している場合には、課税事業者となり、消費税の申告・納税が必要になります。
参照:国税庁「消費税のしくみ」
償却資産税
駐車場経営のために設備を設置した場合、その設備に対して償却資産税がかかることがあります。
償却資産税とは、土地や家屋以外の事業用に利用する資産(構築物・機械装置・器具・備品等)に対して課される地方税で、固定資産税の一種です。
駐車場経営においては、敷地内の舗装路面や精算機、ロック板、フェンス、照明灯などの設備が、償却資産の対象となることがあります。コインパーキングをはじめ、設備を伴う駐車場経営では、特に注意が必要です。
なお、償却資産の課税標準額の合計が150万円に満たない場合は、原則として課税されません。ただし、非課税であっても資産の内容や申告要件は自治体ごとに異なります。
さらに、対象となる資産の有無にかかわらず、申告が求められるケースも少なくありません。詳細については、自治体の案内を確認するか、税理士などの専門家に相談するとよいでしょう。
個人事業税
駐車場経営の実態が、地方税法で定められた法定業種(駐車場業等)に該当する場合には、個人事業税が課されることがあります。個人事業税は都道府県税であり、具体的な取扱いや課税の有無は、都道府県によって異なります。
個人事業税の計算式は以下のとおりです。
個人事業税の金額={所得(収入-必要経費)-事業主控除(一律年290万円)}×税率
なお、個人事業税の税率は全国共通で、法定業種ごとに地方税法で定められています。税率は事業内容に応じて3〜5%です。
駐車場経営の節税方法
駐車場経営では、土地への税負担が大きくなりやすい傾向がありますが、工夫次第で節税を図ることも可能です。
たとえば、青色申告特別控除を活用すると、一定の要件を満たすことで最大65万円の控除が受けられ、所得税の節税効果が期待できます。
また、必要経費として認められる支出を正しく計上することも、節税を考えるうえで重要なポイントです。税金は収益そのものにかかるのではなく、必要経費や各種控除を差し引いた課税所得に対して課されます。そのため、必要経費を適切に計上することで課税所得を抑え、結果として節税につなげることが可能です。
なお、青色申告特別控除や経費計上の考え方は、事業内容や実態によって取扱いが異なります。判断に迷う場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。ほかにも節税に役立つアドバイスをもらえるかもしれません。
駐車場経営の税金に関するよくある質問
駐車場経営では、住宅用地からの転用によって固定資産税の負担が増加するケースなど、注意すべき税務上のポイントがあります。安定した収益を確保するためには、課税の仕組みや節税対策について正しく理解しておくことが大切です。
最後に、これまでの内容をふまえ、駐車場経営の税金に関するよくある質問について、まとめて回答していきます。
駐車場経営では税金はかかる?
駐車場経営では、土地を所有していることや収益が発生することにより、原則として何らかの税金がかかります。ただし、経営方式や収入規模、設備の有無などによって、課される税金の種類は異なります。
駐車場経営にかかる主な税金は、以下のとおりです。
- 固定資産税
- 都市計画税
- 所得税
- 住民税
- 消費税
- 償却資産税
- 個人事業税
なお、これらすべての税金が一律に課税されるわけではありません。固定資産税や都市計画税は土地の所有者に課される税金ですが、消費税や償却資産税、個人事業税については、条件によって取扱いが異なります。そのため、自身のケースでどの税金が該当するのかを確認したうえで、事前に備えておくことが大切です。
駐車場経営の所得は不動産所得?事業所得?雑所得?
駐車場経営による所得が、不動産所得・事業所得・雑所得のいずれに該当するかは、経営形態や規模、事業の実態などをふまえて総合的に判断されます。
一般的には、以下のような区分となるケースが多いとされています。
| 所得区分 | ケース例 |
|---|---|
| 不動産所得 | ・月極駐車場など、土地の貸付けが中心で、賃貸人が自ら管理業務をほとんど行わない ・一括借り上げ方式・管理委託方式を採用している |
| 事業所得 | ・コインパーキングや有人駐車場など、設備や人員を用いて継続的・反復的に運営しており、事業性が認められる |
| 雑所得 | ・規模が小さく、副業的に行われており、事業としての継続性や独立性が認められない |
該当する所得区分によって、適用される税制や控除の取扱いは異なります。
区分の判断に迷う場合は、税務署や税理士などの専門家に確認したうえで、適切に申告することが重要です。
副業で駐車場経営をしている場合も確定申告は必要?
会社員などの給与所得者が副業として駐車場経営を行っている場合、給与所得や退職所得以外の所得の合計額が1年間で20万円を超えると、原則として確定申告が必要になります。
判断基準は「所得」であるため、収益から固定資産税や管理費などの必要経費を差し引いた金額が、20万円を超えるかどうかで判断します。
仮に確定申告を行わなかった場合、本来納めるべき税金に加えて、無申告加算税や延滞税が課されることがあるため注意が必要です。さらに、仮装や隠ぺいなどの悪質な行為があった場合には、重加算税が課される可能性もあります。その結果、本来の税額にこれらの加算税が上乗せされ、支払う税額が大幅に増えるリスクが考えられます。
所得が20万円を超えた場合は、期限内に確定申告を忘れずに行いましょう。なお、給与所得者の場合、駐車場経営による所得が20万円以下であっても、住民税については別途申告が必要となるケースがあります。
駐車場経営にかかる税金を正しく把握しよう
駐車場経営で利益を出し、安定的に運営していくためには、表面的な売上額だけでなく、税金を差し引いた後の実質的な利益を正確に把握することが大切です。
本記事で解説した固定資産税や都市計画税、所得税・住民税など、駐車場経営に関連する税金への理解は欠かせません。これらを正しく把握したうえで、経費計上や申告を適正に行うことが、安定した土地活用につながります。
なお、土地の活用方法には駐車場経営以外にもトランクルーム経営などさまざまな種類があります。
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監修者|水野 崇(みずの たかし)
水野総合FP事務所代表。東京理科大学理学部卒業。中学、高校、大学、専門学校で金融経済教育を行うほか、テレビ朝日、BSテレ東、TOKYO MXの番組に出演。NHKドラマ「3000万」家計監修。独立系FPとして、相談、執筆・監修、講演・講師、取材協力、メディア出演など幅広く活動している。
<資格>宅地建物取引士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者 ほか