アパート経営の初期費用と利回りは?シミュレーション例やリスクも紹介

土地の活用

掲載日:2025年12月26日
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所有している土地を活用する方法として、アパート経営を検討している方もいるでしょう。アパート経営は賃料収入が得られるほか、相続や節税対策などにも活用できる不動産投資です。

しかし、十分な知識がないまま取り組んでしまうと、さまざまなリスクに直面する可能性があります。

そこで本記事では、アパート経営に必要な初期費用の目安とその内訳、利回りの基本的な知識や収益シミュレーションなどについて詳しく解説します。

目次

アパート経営とは?仕組みと収益の基本

アパート経営は、土地を有効活用できる不動産投資の1つです。自身が所有している土地にアパートを建てたり、中古アパートを購入したりして、家賃収入を得ることを主な目的としています。

アパート経営には、相続税の軽減や所得税の節税効果が期待できるほか、老後の安定した収入源として活用できるというメリットもあります。このような観点から、将来を見据えて取り組む方もいます。

アパート経営における利益とは、家賃などの収入から諸費用を差し引いた残りの金額です。家賃収入や諸費用として、主に以下のものがあげられます。

【家賃収入の例】

  • 毎月の家賃
  • 共益費・管理費
  • 駐車場賃料
  • 礼金
  • 更新料

【諸費用の例】

  • ローン返済
  • 修繕費
  • メンテナンス費用
  • 固定資産税や火災保険料など

家賃収入からローンの返済(元金・利息)や維持管理費などの諸費用を差し引いた残りが、アパート経営の実質的な利益であり、手取り額(キャッシュフロー)となります。

なお、税金の計算上は、ローン返済のうち利息部分のみが必要経費として認められ、元金部分は経費にならない点に注意が必要です。

アパート経営の利回りとは?

アパート経営における利回りとは、投資金額(物件の購入価格または建物の建築費)に対して、年間でいくらの収益が得られるかを表した割合のことです。利回りは、表面利回り・実質利回りの2種類に大別できます。

表面利回りは「単純利回り」「グロス利回り」とも呼ばれ、次の計算式で求めます。

「表面利回り(%)=年間家賃収入÷物件価格×100」

表面利回りは、物件の購入価格や建築費に対する年間家賃収入の割合を示す指標です。管理費・修繕費・固定資産税など運営にかかる諸費用が考慮されていないため、実際の収益性を正確に反映するものではありません。ただし、計算方法がシンプルで分かりやすいことから、複数物件を比較する際の収益性の目安として広く利用されています。

実質利回りは、年間の家賃収入から修繕費や固定資産税、火災保険料など運営にかかる諸費用を差し引いた実質的な利益を、物件の購入価格(または建築費)に取得時の諸費用を加えた総投資額で割って算出します。以下の計算式で求められます。

「実質利回り=(年間家賃収入-諸費用※)÷総投資額×100」

※諸費用には管理費・修繕費・固定資産税・火災保険料などの運営費用が含まれます

利回りの全国的な目安は、表面利回りがおおむね6〜9%、実質利回りが4〜6%前後とされています。ただし、物件の種類や立地、築年数などによって大きく差があるため、一律で「平均利回り」として断定するのは適切ではありません。

都市部は物件価格が高いため相対的に利回りが低めですが、賃貸需要が安定しており、空室リスクが少ない点が特徴です。一方、地方では利回りが高めになりやすいものの、空室リスクや将来の需要変化に注意が必要です。

そのため、エリアごとの入居率や需要動向を見極めるとともに、修繕・税金・保険料などの運営コストを含めた実質的な収益性を重視することが、アパート経営では重要になります。

アパート経営の初期費用はいくら?内訳と目安

アパート経営を始める際には、初期費用としていくらかかるかを見積もることが大切です。土地あり・土地なしの2つのケースで、初期費用の目安を確認しましょう。

土地ありの場合、建築費・設計費・登記費・外構費などを含めて、総額4,000万〜8,000万円程度が一つの目安となります。

一方、土地なしの場合は土地購入代金も考慮する必要があり、建物の建築費用と合わせると総額で1億円を超えることもあります。土地の立地や面積、建物の構造・戸数によって総費用は大きく変動します。

そのほかにも、ローンを契約する際の事務手数料や保証料、火災保険料、不動産取得税や登録免許税などの各種税金、広告宣伝費といった諸費用も見込んでおく必要があります。

また、自己資金は総額の1〜2割程度を目安に準備しておくのがおすすめです。金融機関の融資条件や物件規模によっては、自己資金が2〜3割程度求められるケースもあります。

アパート経営の初期費用を抑えるには、建築プランの最適化をはかることや、複数の不動産会社・建築会社から相見積もりを取ることが重要です。仕様や構造、戸数、設備グレードを見直すだけでも、総工費を数百万円単位で削減できる場合があります。

次に、建築費の相場や融資を受ける際の基本的なポイントについて解説していきます。

建築費の相場と費用を左右するポイント

アパートの建築費用は、木造2階建ての場合は坪単価70万〜100万円、鉄骨造の場合は90万〜120万円が相場とされています。

ただし、これらはあくまでも相場であり、実際には物件によって大きく変動します。費用を左右する要因として、以下のものがあげられます。

  • エリア
  • 部屋数・規模
  • 仕様・グレード
  • 土地形状・条件

アパートを建築する際は、立地が都市部であるほど、人件費や施工単価、設計費用が高くなる傾向があります。また、部屋数が多いほど建築総額は増加しますが、建物全体をまとめて施工できるため、1戸あたりのコストを抑えられる場合もあります。

さらに、構造には木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造(RC造)などがあり、一般的に RC > 鉄骨 > 木造 の順で建築費が高くなります。耐久性や遮音性などの性能が高い構造ほど、工事費用も上がる傾向があります。そのため、アパート経営を成功させるには、建築コストの最適化と需要に合った間取り設計が重要です。

参照:国土交通省「建築着工統計調査/住宅着工統計(2024年)」

融資・ローンの基礎知識

アパート経営に必要な資金を金融機関から借りる方法として、アパートローン(投資用不動産向けローン)があります。アパートローンの金利相場はおおむね1〜3%台前半が目安で、融資期間は20〜35年が一般的です。

融資限度額は最大2億円や3億円など金融機関によって異なり、融資実行にあたって金融機関は「土地+建物」を担保にします。

アパートローンを利用できる条件として、主に以下の要件を満たすことが求められるケースが多いです。

  • 年齢:申込時18〜20歳以上、完済時はおおむね80歳前後まで
  • 前年度年収:100万〜300万円以上(金融機関によって異なる)
  • 勤続年数(または事業継続年数):1〜3年以上が目安

融資条件は「返済比率」や「自己資金額」によっても変わります。返済比率とは年収に占める年間返済額の割合のことで、一般的に20〜35%程度に設定するのが望ましいとされています。

ただし、金融機関の審査では返済比率だけでなく、DSCR(返済原資に対する返済額のカバー率)、担保価値、自己資金比率、年収や勤続年数といった個人属性など、複数の要素を総合的に判断します。そのため、返済比率だけで融資の可否や条件が決まるわけではありません。

アパート経営の収益シミュレーション例

アパート経営を行うにあたって、あらかじめ将来得られる収益についてシミュレーションすることが大切です。

ここでは、一人暮らし需要の多い都市部と、ファミリー需要の多い地方の2つの例を紹介します。

【例1】都市部ワンルームを8戸賃貸する場合

シミュレーション条件は以下のとおりです。

  • 初期投資:8,000万円
  • 年間家賃収入:480万円
  • 空室率:10%
  • 諸経費率:15%
  • 自己資金なし

条件をもとにシミュレーションすると、結果は以下のとおりとなります。

  • 表面利回り:6%
  • 実質利回り:4.5%

黒字化できるまでに必要な年数は、「初期投資÷{(年間家賃収入 ×(1 − 空室率)) − 諸経費}」で求めます。この例では、黒字化されるまで約22年かかることが予想されます。

【例2】地方2LDKを6戸賃貸する場合

シミュレーション条件は以下のとおりです。

  • 初期投資:6,000万円
  • 年間家賃収入:420万円
  • 空室率:10%
  • 諸経費率:15%
  • 自己資金なし

条件をもとにシミュレーションした結果は以下のとおりです。

  • 表面利回り:7%
  • 実質利回り:5.3%

黒字化までの年数は、約19年必要になる計算です。

アパート経営の主なリスクと対策

アパート経営を行う際には、将来想定されるリスクを理解し、あらかじめ対策を講じることが大切です。主なリスクと代表的な対策は以下のとおりです。

  • 空室リスク:需要の多い立地や間取りを選ぶ、設備や内装の品質を維持することで入居者満足度を高める
  • 修繕リスク:定期的にメンテナンスを行う、将来の大規模修繕に備えて修繕積立金を確保する
  • 金利上昇リスク:固定金利型ローンを選択する、余裕資金を活用して繰り上げ返済を行う
  • 災害リスク:火災保険や地震保険に加入する、耐久性の高い建物にする
  • 家賃滞納リスク:契約時に連帯保証人を付ける、家賃保証会社を利用する

また、アパート経営では「サブリース契約(一括借り上げ契約)」を利用する場合もあります。サブリース契約とは、オーナーが物件全体を不動産会社に貸し、不動産会社が入居者に再賃貸(転貸)する仕組みをいいます。仮に空室が発生しても、不動産会社から一定額の賃料が支払われるため、安定した収益を確保できるというメリットがあります。

ただし、サブリース契約期間の満了や周辺家賃の下落などを理由として、更新時に家賃が引き下げられたり、契約を解除されたりするリスクもあります。また、サブリース契約は「家賃滞納を保証する契約(家賃保証会社との契約)」とは異なるため、オーナーは契約前に賃料改定条件や契約期間、解約条項などを十分に確認しておくことが重要です。

成功するアパート経営のポイント

アパート経営を安定的に成功させるためには、単に物件を所有するだけでなく、継続的な管理とデータに基づく経営判断が欠かせません。利回りを高めながら、リスクを抑えるための主なポイントは次のとおりです。

  • 定期的に収支シミュレーションを見直す
  • 管理会社にまかせきりにせず経営状況を把握する
  • 減価償却や青色申告など、節税制度を効果的に活用する
  • 地域の賃貸需要や人口動態を継続的にチェックする
  • 長期的な修繕計画を立て、老朽化に備える

収支シミュレーションは、アパート経営を始めるときだけでなく、状況に合わせて定期的に見直すことが大切です。金利動向や修繕費、家賃相場などの変化をシミュレーションに反映させ、将来の収支を常に把握しておきましょう。

また、アパート管理は管理会社に委託することが一般的ですが、オーナー自身も入居率や経費などの数字を把握し、経営状況を把握する意識が欠かせません。

利回りを高めるためには、単に経費を削減するだけでなく、減価償却や青色申告などの節税制度を有効に活用することも欠かせません。

信頼できる不動産会社や専門家に相談しながら、収益性を高めるための具体的な改善策を検討することをおすすめします。

アパート経営以外にも、土地活用なら「トランクルーム経営」も選択肢の1つ

屋外型トランクルーム

アパート経営では、所有している土地を有効に活用できる一方で、新たに建物を建築しなければなりません。建物を建てるには多額の費用がかかり、特に建築費や設計費などの初期費用が大きな負担となります。

そのため、アパート経営はまとまった金額の初期投資が必要であり、新たに始めるにはハードルが高い側面があります。

もしアパート経営に踏み出すのが難しいと感じるなら、初期費用を抑えやすい「トランクルーム経営」など、別の方法で土地を活用するのも選択肢の1つです。

トランクルーム経営の魅力

トランクルームは、趣味の荷物や仕事道具の収納場所などとしての高いニーズがあり、立地の影響を受けにくい特徴があります。そのため、アパート経営や駐車場経営に適していない土地でも、トランクルームならニーズがある場合もあります。

トランクルームの運用や管理を代行している企業もあるため、依頼すればメンテナンスなどもまかせることが可能です。

エリアリンクが提供しているトランクルーム「ハローストレージ」には、以下のようなポイントがあります。

  • 「10年間一括借り上げ」のため稼働率に関わらず安定的な賃料収益が得られる
  • トランクルームの運用・管理も代行してもらえる
  • 初期費用を抑えて始めやすい

土地活用に悩んでいる方は、ぜひ一度、お問い合わせください。

【お問い合わせ・資料請求はこちら】

アパート経営は初期費用と利回りを把握し、長期目線で判断しよう

アパート経営は、所有している土地を有効活用できる不動産投資の1つです。毎月賃料を得られるほか、相続や節税対策、老後資金の確保ができるといったメリットもあります。

しかし、安定的に収益を上げるためには、経営を始める前に初期費用について十分検討し、利回りの仕組みを正しく理解しておくことが重要です。長期的な資産形成を目的に、計画的に取り組むことをおすすめします。

土地の有効活用はアパート経営だけに限りません。初期費用を抑えやすく、立地条件を選ばないトランクルーム経営もおすすめです。

トランクルーム経営に興味をお持ちの方は、エリアリンクまでお気軽にご相談ください。

【お問い合わせ・資料請求はこちら】

トランクルーム経営ならエリアリンクの「ハローストレージ」

エリアリンク株式会社は、「世の中に便利さと楽しさと感動を提供する」を理念に掲げ、トランクルーム「ハローストレージ」の運営を行うストレージ事業を中心に、ストック型ビジネスで安定性の高い経営を推進しています。

1995年の創業より着実に成長を続け、2003年に東京証券取引所マザーズに上場、2022年には東証スタンダード市場への移行もいたしました。

エリアリンクが展開するトランクルーム「ハローストレージ」は、全国に2,500物件以上・12万室以上を展開しており、業界最大規模、掲載物件数は全国No.1(※)です。

近年、トランクルームの認知度は高まりつつあり、市場規模が拡大傾向にある業界です。駅から遠い、地形が悪い、土地が狭いなどの理由から、マンション・アパート・駐車場経営が困難な土地でも、屋外型トランクルームなら有効活用できることから、遊休土地活用の選択肢として注目を集めています。

土地の活用方法にお困りの場合は、お気軽にお問い合わせください。

※2022年3月期 指定領域(※)における市場調査
調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
※屋内型、屋外型の合計掲載物件数・屋外型の掲載物件数において物件数 No.1
※「指定領域」=レンタルスペースの物件数の情報をWeb で公開している 8 社(エリアリンク社独自調査。2022年3月時点のウェブ上での屋内型、屋外型の合計掲載物件数・屋外型の掲載物件数上位8社)を対象として、物件数を No.1 検証調査

<エリアリンク株式会社 公式ホームページはこちら>

水野 崇さん

監修者水野 崇(みずの たかし)

水野総合FP事務所代表。東京理科大学理学部卒業。中学、高校、大学、専門学校で金融経済教育を行うほか、テレビ朝日、BSテレ東、TOKYO MXの番組に出演。NHKドラマ「3000万」家計監修。独立系FPとして、相談、執筆・監修、講演・講師、取材協力、メディア出演など幅広く活動している。
<資格>宅地建物取引士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者 ほか