空き家の雑草対策はどうする?放置リスクから効果的な対策まで徹底解説

空き家を放置すると雑草が繁茂し、近隣の住宅にも迷惑となります。雑草の放置は景観の悪化を引き起こすだけでなく、建物や土地の劣化につながるなど、重大な被害をもたらすケースがあるため、注意が必要です。自治体から「特定空家」に指定されると、指導や勧告が入ることもあります。
本記事では、空き家の雑草を放置するリスクや自分でできる雑草対策、雑草問題を解決する具体的な方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
空き家の雑草を放置するリスク
空き家の雑草を放置するとさまざまなトラブルの要因となります。適切な対応を怠ると想定外の手間や費用がかかることがあるため、注意が必要です。
空き家の雑草を放置するリスクは、以下の5つです。
- 建物や土地の劣化を早める
- 害虫や害獣の発生につながる
- 犯罪や放火のターゲットになる
- 近隣からの苦情・トラブルが増える
- 行政指導や「特定空家」に指定されることも
それぞれについて詳しく解説します。
建物や土地の劣化を早める
雑草の繁茂は景観を損ねるだけでなく、建物や土地の劣化を早めるおそれがあるため、注意が必要です。
雑草の根が外壁の隙間や基礎部分に侵入すると、ひび割れを引き起こすことがあります。ひび割れの部分から外壁の素材が剥がれ落ちると、そこから雨水が入り込むため、内部が腐食しやすい状態になります。
また、敷地内が雑草で覆われていると日光が遮られるため、地面の湿度が高い状態が続くことも問題です。建物の基礎部分や床下が湿気を含むことで、腐食が進む危険性が高まります。特に木造住宅は腐食が進行しやすい特徴があります。
さらに、湿度の高い状態は、カビやシロアリが発生する要因にもなるため、軽視できません。
害虫や害獣の発生につながる
雑草を放置すると害虫や害獣の住処になるリスクがあります。害虫や害獣は病気を媒介するおそれがあるため、放置は危険です。
雑草が生い茂ると蚊や蜂が繁殖しやすくなり、近隣の家にも被害が広がることがあります。また、雑草の丈が高くなるとネズミやアライグマなどがすみつくことがあり、これらの害獣は、建物の内部にも入り込んでくるため、注意が必要です。建物内部が糞尿によって汚染され、大規模な修繕が必要になるケースもあります。
特にシロアリは、周辺の住宅にも被害を与えるおそれがあるため、早急に対処する必要があります。
犯罪や放火のターゲットになる
管理されていない空き家は犯罪の温床となるリスクが高くなります。雑草が放置され敷地内が荒れていると「無人」と判断され、空き巣や不法侵入者のターゲットとなりやすいからです。特に背丈の高い木が生い茂ると近隣住民の目が行き届かないため、狙われやすくなります。
さらに、人の手が行き届いていない家は、不法投棄されやすいことにも注意が必要です。不法投棄されたゴミや枯れ草などが山積すると発火しやすい状態となり、放火犯に狙われる危険性もあります。
ゴミや枯れ草が放置された状態で放火され、被害が生じた場合、火災保険の対象外になるケースがあります。その場合、空き家の所有者が多額の賠償金を支払わなければなりません。
近隣からの苦情・トラブルが増える
空き家の雑草を放置すると近隣の住宅にも悪影響を与えるため、トラブルの要因となります。雑草の種子が風によって飛散すると、近隣の住宅にも雑草が繁茂したり、隣家の農作物や庭木に影響を与えたりするおそれもあるでしょう。
また、景観の悪化も看過できない問題です。空き家そのものの資産価値が下がるだけでなく、周囲の不動産価値も下げてしまいます。
行政指導や「特定空家」に指定されることも
空き家の管理が不十分だと「特定空家」に指定され、自治体から指導を受けるおそれがあります。増え続ける空き家の問題を解決するために、2023年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、空き家の解体や活用、適切な管理を推進するための措置が強化されました。
倒壊の危険性がある空き家や、衛生上有害な空き家が「特定空家」に指定されると、空き家の所有者は自治体から「助言」や「指導」を受けます。これに対して適切な対応がなされないと「勧告」や「命令」がなされ、命令に従わないと過料が科される場合があるだけでなく、強制撤去させられるおそれがあります。
また、「勧告」がなされると「住宅用地の特例措置」が適用されなくなるため、固定資産税が増える点にも注意が必要です。
参照:政府広報オンライン「空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化。トラブルになる前に対応を!」
自分でできる空き家の雑草対策
できるだけコストを抑えたい場合は、自分で空き家の雑草対策を行う方法があります。
具体的な方法は、以下の5つです。
- 除草剤をまく
- 防草シートを敷く
- 砂利・固まる土・レンガなどで地面を覆う
- グランドカバー植物を植える
- 定期的な草刈りを行う
それぞれについて詳しく解説します。
除草剤をまく

除草剤を用いた雑草対策は短期間で効果があらわれやすく、費用も抑えられる方法です。除草剤には液体タイプと粒剤タイプの2種類があり、液体タイプは即効性があることが特徴です。これに対して粒剤タイプは持続性が高いことが特徴で、雑草が生えていない状態で使用します。
除草剤は、使用方法を誤ると環境や庭木に悪影響を及ぼす危険性があります。使用前にラベルに記載された注意事項をよく読み、正しい使い方をすることが大切です。
参照:農林水産省「農薬コーナー|除草剤の販売・使用について」
防草シートを敷く

長期間効果が持続し、管理の手間が少ない方法としておすすめなのが、防草シートです。
防草シートは、日光を遮ることによって雑草の成長を阻害します。水を通す構造になっているため、雨天時にぬかるみができる心配はありません。
防草シートが劣化する主な要因は、紫外線です。そのため、紫外線に強いシートを選ぶことで耐久年数を伸ばすことができます。ただし、施工時に隙間ができるとそこから雑草が生えてきてしまうため注意が必要です。
砂利・固まる土・レンガなどで地面を覆う
砂利や固まる土、レンガなどで地面を覆うと、雑草の発生を抑制する効果が期待でき、景観を整えることも可能です。
砂利は安価で施工しやすい点がメリットですが、定期的に補充が必要です。
固まる土とは、セメントと砂を混ぜて作られた土で、水はけがよく歩道にも適しています。水をかけると固まるため、雑草の成長を防ぎやすくなるでしょう。
レンガやタイルは耐久性が高く、デザイン性にも優れていますが、施工費用が高い点に注意が必要です。
グランドカバー植物を植える
グランドカバー植物とは、芝生など地面を覆うように育つ植物のことです。グランドカバー植物を植えることで、景観を保ちながら雑草の繁茂を防ぐことができます。
グランドカバー植物を植えると地面の露出面積を減らせるため、雑草が生えてくる面積が減り、手入れの頻度を減らせます。さまざまな種類がありますが、芝生のほか、クローバーなどが一般的です。一定の頻度で手入れは必要ですが、環境に優しく見栄えも保てるため、おすすめです。
定期的な草刈りを行う
時間と労力が必要ですが、定期的に草刈りを行う方法が最も確実で即効性があります。春から夏にかけての繁殖期は、頻繁に手入れをしないと雑草はすぐに生えてきます。
効率的に草刈りするためには、草刈り機の使用がおすすめです。草刈り機を使用すれば腰を屈める必要がなく、楽な姿勢で効率的に草刈りができるでしょう。ただし、鋭利な刃を使用しているため、安全対策を徹底することが重要です。
空き家の雑草問題を解決する方法
ここまで、自分で雑草対策を行う方法を解説しました。いずれの方法も自力で行うには手間と時間がかかります。空き家の雑草問題を解決する方法は、ほかにもあります。
主な選択肢は、以下の3つです。
- 業者に管理を委託する
- 空き家を土地ごと売却する
- 土地活用する
それぞれについて詳しく解説します。
業者に管理を委託する
業者に空き家の雑草対策を委託する場合、費用は広さや雑草の種類、地形、管理方法などによって異なるため、現地を訪問してもらい見積もりを取りましょう。定期契約を結ぶと費用が割引されるケースがあります。
自宅と空き家の距離が離れており頻繁に訪問できない方や、自力で手入れすることが難しい高齢者などにおすすめです。
空き家を土地ごと売却する
雑草対策をはじめとした空き家の管理から解放されたい場合は、空き家を土地ごと売却する方法もおすすめです。築年数が浅く、立地が良ければ高値で売却できるかもしれません。
ただし、建物が古い場合や立地が悪い場合は、買取業者を利用するなど売却に工夫が必要なケースがあります。まずは、空き家が建っている地域の不動産会社に相談してみましょう。
土地活用する
空き家を解体すれば、土地を活用できます。土地活用の方法はさまざまですが、駐車場やマンション、トランクルーム経営などが一般的です。
売却せずに土地の所有を続けたいニーズのある方にとっては、現実的かつ価値のある選択肢といえるでしょう。土地活用が軌道に乗れば、長期的に収益を得られる可能性も高いです。
土地活用にはトランクルーム経営もおすすめ

空き家の土地活用なら、トランクルーム経営も選択肢の1つです。広さや立地によって駐車場やマンションに向かない土地でも、トランクルームなら需要が見込める可能性があります。
特に、エリアリンクのトランクルームの特徴は、以下の通りです。
- 「10年間一括借り上げ」のため、稼働率にかかわらず安定的な賃料収益が得られる
- 集客からメンテナンスまで、運用・管理も代行してもらえる
- マンション経営など他の土地活用と比較して初期費用を抑えやすい
一般的に、トランクルームは収益化できるまでに時間がかかる傾向がありますが、エリアリンクの「10年間一括借り上げ」なら最初から安定した賃料収入が得られます。トランクルーム経営は、ほかの土地活用と比較して初期費用が抑えられる点も大きなメリットです。
空き家の雑草問題は起きる前に対策しよう
空き家の雑草を放置すると空き家自体だけでなく、周囲の家にも深刻な被害をもたらすおそれがあるため、適切な管理が求められます。
雑草問題をはじめとした空き家の取り扱いにお悩みであれば、土地活用としてトランクルーム経営に取り組むこともおすすめです。
トランクルームなら、マンションや駐車場などで収益化が難しい土地でも、収益を得られる可能性があります。土地活用の方法としてトランクルーム経営をぜひご検討ください。
トランクルーム経営ならエリアリンクの「ハローストレージ」
エリアリンク株式会社は、「世の中に便利さと楽しさと感動を提供する」を理念に掲げ、トランクルーム「ハローストレージ」の運営を行うストレージ事業を中心に、ストック型ビジネスで安定性の高い経営を推進しています。
1995年の創業より着実に成長を続け、2003年に東京証券取引所マザーズに上場、2022年には東証スタンダード市場への移行もいたしました。
エリアリンクが展開するトランクルーム「ハローストレージ」は、全国に2,500物件以上・12万室以上を展開しており、業界最大規模、掲載物件数は全国No.1(※)です。
近年、トランクルームの認知度は高まりつつあり、市場規模が拡大傾向にある業界です。駅から遠い、地形が悪い、土地が狭いなどの理由から、マンション・アパート・駐車場経営が困難な土地でも、屋外型トランクルームなら有効活用できることから、遊休土地活用の選択肢として注目を集めています。
土地の活用方法にお困りの場合は、お気軽にお問い合わせください。
※2022年3月期 指定領域(※)における市場調査
調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
※屋内型、屋外型の合計掲載物件数・屋外型の掲載物件数において物件数 No.1
※「指定領域」=レンタルスペースの物件数の情報をWeb で公開している 8 社(エリアリンク社独自調査。2022年3月時点のウェブ上での屋内型、屋外型の合計掲載物件数・屋外型の掲載物件数上位8社)を対象として、物件数を No.1 検証調査

監修:桜井鉄郎
東証プライム上場の金融機関で主に住宅ローンの相談販売を担当(相談件数:約2,000件)。FPの視点で顧客に最適な返済プランや返済開始後のライフプランを提案。マイホーム購入に関連する法令・税額控除制度等についても説明。