田舎の土地活用はどうする?7つの活用アイデアと3つの注意点を紹介

土地の活用

掲載日:2025年11月14日
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居住していない土地を田舎に所有しているものの、どのように活用していいかわからないという声は少なくはありません。

土地を活用しないまま放置していると、固定資産税などの費用がかかり、家計を圧迫する可能性があります。そのため、土地をうまく活用していくことが大切です。

土地の活用法は、土地の条件などによって向いているかどうかが異なるため、適切な方法を自身で判断する必要があります。

本記事では、田舎の土地活用アイデアを7つ紹介します。また、土地を活用する際の注意点も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

田舎で空き家やその敷地を放置してはいけない理由

田舎にある空き家やその敷地を活用せず、放置している状態であっても、固定資産税や火災保険などの費用がかかります。

2014年に空家等対策の推進に関する特別措置法が施行され、管理不全空家や特定空家に指定された空き家の敷地は固定資産税の優遇措置の適用対象外となり、税の負担が重くなっています。

そのため、もし空き家とその敷地をそのまま放置しているのであれば、土地の活用を検討するのがおすすめです。田舎の土地活用のアイデアについては、次章で詳しくご紹介します。

参照:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」
参照:国税庁「財産評価基準書路線価図・評価倍率表

田舎で土地活用する7つのアイデア

田舎で土地活用するアイデアとしては、以下の7つがあります。

  • マンション・アパートの賃貸経営
  • 一戸建ての賃貸経営
  • 駐車場・コインパーキング経営
  • トランクルーム経営
  • 貸し農園
  • 老人ホーム・高齢者向け住宅
  • 太陽光発電

1つずつアイデアを紹介していきますので、持っている土地の立地や周辺環境に合わせて、適切な土地活用を検討しましょう。

マンション・アパートの賃貸経営

「駅から近い」「住宅地」など立地条件が良い土地であれば、田舎であっても賃貸ニーズが高い可能性が考えられます。

マンションやアパートの建設費用や修繕費用、管理費用など投資額は高額になりやすいものの、借り手がいれば比較的高額の収益を得られるでしょう。

ただし、立地条件が悪い場合は、空室になるリスクがあるため注意が必要です。

一戸建ての賃貸経営

新築マンションやアパートを建てるよりも、一戸建てのほうが建築費は安く、初期費用が抑えられる点がメリットです。

また、空き家をリフォームして、一戸建ての賃貸経営をするのも有効な活用法の1つといえるでしょう。

ただし、入居者が退去すると収益がゼロになってしまうリスクもあります。

駐車場・コインパーキング経営

住宅街や一定の人口がある場所であれば、駐車場・コインパーキング経営がおすすめです。

コインパーキングの業者に管理を委託する方法もありますが、収益の見込みが少ないと判断された場合、コインパーキングの業者から断られる可能性があります。

アスファルト舗装や砂利敷きの駐車場であれば、小規模宅地等の特例が適用され、相続税の評価額を下げることが可能です。

駐車場をアスファルトに舗装すると利用者からの満足度が高くなるため、高い賃料に設定できる可能性もあります。ただし、アスファルト舗装を行った場合、コストが大きな負担となることも考えられます。

参照:国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」

トランクルーム経営

屋外型トランクルーム

トランクルーム経営は、土地に倉庫やコンテナを設置し、収納スペースとして貸し出す方法です。近年は個人や企業でトランクルームを活用する方が増えており、駅から遠いなどの立地条件でも収益を得られる可能性があります。

トランクルーム経営については、後ほど詳しく紹介します。

トランクルーム経営に興味のある方は、トランクルーム「ハローストレージ」を全国展開しているエリアリンクへお気軽にお問い合わせください。

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貸し農園

土地を小区画に分け、家庭菜園を楽しみたい方に貸し出す「貸し農園」という土地活用もあります。

貸し農園とは、厳密には土地所有者が利用者に農地を貸す方式のことを指し、貸し農園を始める際には原則として特定農地貸付法の手続きが必要です。

特定農地貸付の要件として、以下のものがあります。

  • 農作物栽培を目的とし、営利を目的としないこと
  • 対象となる農地は10アール(1,000m2)未満であること
  • 貸付期間は5年を超えないこと

なお、特定農地貸付の申請自体に費用はかかりません。

老人ホーム・高齢者向け住宅

高齢化が進む田舎では老人ホームや高齢者向け住宅の需要が高まっているため、老人ホームや高齢者向け住宅を建てるのも選択肢の1つです。

建物の建設自体は事業者が行うケースが多いものの、土地の広さや立地条件、周辺の医療施設との距離の精査、さらには介護サービスの運営会社との連携なども重要となります。

ある程度広い土地が必要で、建物建設などの初期投資が高額になる点は、デメリットといえるでしょう。

太陽光発電

土地に太陽光パネルを設置し、発電した電力を売買する方法もあります。日当たりが良く、広い土地であれば長期的な安定収益が見込めるでしょう。

ただし、土地が農地である場合、農業委員会から農地転用の許可を得る必要があります。

また、周囲に電柱がない場合は、電力会社の電線網に送電するための工事が必要です。

田舎で土地活用する際の3つの注意点

田舎で土地活用する際には、以下の3つの注意点があります。

  • 賃貸の需要が低い
  • 農地法による規制
  • 都市計画法による規制

土地を適切な方法で活用するために、注意点をしっかり把握しておきましょう。

賃貸の需要が低い

田舎の場合、賃貸の需要が低い可能性があります。土地・不動産の価格が低いケースが多く、賃貸よりも買ったほうが安いと考えている方が少なくはありません。そのため、賃貸の需要が低くなりがちです。

とはいえ、田舎であっても、駅から近い、人が比較的多く住んでいるエリアであれば、賃貸需要が高い可能性もあります。いずれにしても、所有している土地周辺において、賃貸需要があるかどうかをふまえて検討することをおすすめします。

農地法による規制

農地の減少を防ぐ目的で施行されている農地法には、農地に対して厳しい利用制限があります。

農地法では、農地が市街化区域を除く区域である場合、農地を農地以外に転用するためには許可が必要であると定められています。

市街化区域とは「すでに市街地を形成している区域」や「おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」を指します。

市街化区域以外での農地転用には都道府県知事または指定市町村長の許可が必要であるため、市街化区域以外の農地の活用はハードルが高くなるでしょう。

また、申請許可には2~3カ月程度の時間がかかる点にも注意が必要です。

都市計画法による規制

都市計画法の目的は、都市の健全な発展と秩序ある整備により国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することです。

都市計画法で選定された「市街地調整区域」は市街地化を抑えるために指定された区域で、原則として許可がなければ建物を建てられません。

市街化調整区域に該当するかどうかは、市区町村の都市計画課で確認するか、「〇〇市 市街化調整区域」などでインターネット検索すれば調べられます。

参照:e-GOV「都市計画法」

田舎の土地活用にトランクルーム経営がおすすめな理由

賃貸の需要の低さを考慮すると、田舎での土地活用はトランクルーム経営がおすすめです。

ここでは、トランクルーム経営の概要やタイプ、メリットを解説します。

トランクルームとは

トランクルームとは、荷物を収納できるレンタル収納スペースであり、個人・企業ともに需要が高まりつつあります。

たとえば、個人では引っ越しの際の一時的な荷物置き場や、趣味のアウトドア用品やスポーツ用品、季節ものの衣類などの荷物置き場として、企業では資材や工具、備品などの荷物置き場として活用されるケースが多いです。

このように、趣味の荷物や仕事道具の収納場所としてのニーズがあり、田舎であっても利用したいと考えている方はいるでしょう。

トランクルームのタイプ

トランクルームのタイプは、主に以下の3種類に分かれます。

  • 屋外型
  • ビルイン型
  • 建築型

種類ごとの特徴についてご紹介します。

屋外型

屋外型トランクルーム

屋外型はコンテナ型のトランクルームで、アパート建築と比較すると、投資費用が少額な点が特徴です。変形地や狭い土地でも活用できる点もメリットといえます。

ビルイン型

ビルイン型トランクルーム

ビルイン型では、ビルの空きフロアをトランクルームとして活用できます。築古でも活用できる可能性が高く、飲食店や店舗とは異なり、騒音や臭気などの近隣トラブルが少ない点もメリットです。

建築型

建築型トランクルーム

建築型は、トランクルーム専用の建物を新たに建築します。ビルの空きフロアを利用するビルイン型に比べて、トランクルーム専用に建築するため漏水トラブルが少ない点が特徴です。

トランクルーム経営のメリット

マンションやアパート経営と比較して、トランクルーム経営は空室のリスクが少ないといえるでしょう。また、マンションやアパート、駐車場などよりも初期費用が抑えやすい点も大きなメリットです。

トランクルーム経営と比較されやすい駐車場経営は、駅や商業施設から近いなどの立地の影響を受けやすく、競合との料金競争が発生した場合は料金を下げざるを得なくなり、収益が安定しにくい傾向があります。

一方、トランクルーム経営であれば、駅から遠い、狭いなどの立地でも有効活用しやすく、収益が安定しやすい点もメリットだといえるでしょう。前述したとおり、田舎であってもニーズのあるサービスであることも魅力です。

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運営事例には「土地のみを貸す場合」や「コンテナへ投資する場合」などさまざまな事例があるため、活用したい土地の条件に適した運営方法を探せるでしょう。

田舎の土地活用は需要を意識して適切な方法を選ぼう

本記事では田舎の土地活用法や活用する際の注意点について詳しく解説しました。

田舎の場合、土地の条件によって適切な活用法が異なります。たとえば、駅から遠い、変形地に該当するなどの土地の場合、トランクルーム経営がおすすめです。

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桜井鉄郎さん

監修:桜井鉄郎

東証プライム上場の金融機関で主に住宅ローンの相談販売を担当(相談件数:約2,000件)。FPの視点で顧客に最適な返済プランや返済開始後のライフプランを提案。マイホーム購入に関連する法令・税額控除制度等についても説明。