空き家の解体費用はいくら?高額になる7つのケースと費用を抑えるコツ

近年、人口減少やその他の要因で、空き家が増えています。空き家は、火災や倒壊の危険性だけでなく、防犯面でもリスクがあります。空き家を解体したいものの、費用の目安がわからないという方もいるのではないでしょうか。
解体費用は建物の立地や規模、構造によって変動し、高額になる可能性もあります。
本記事では空き家の解体費用の目安、費用が高額になるケースや費用を抑えるコツを解説します。
目次
- 空き家の解体費用の目安
- 空き家の解体費用が高額になりやすい7つのケース
- 空き家の解体費用を抑えるコツ
- 借空き家の解体費用を自治体制度で軽減する方法
- 空き家を解体したあとの土地活用
- 空き家の解体費用を理解して負担を抑えよう
空き家の解体費用の目安
空き家の解体費用は立地や規模、構造によって異なります。1坪あたりの解体費用の目安を建物の構造別に比較しましょう。
【1坪あたりの解体費用の目安】
- 木造:40,000~50,000円
- 鉄骨造:60,000~70,000円
- 鉄筋コンクリート造(RC造):70,000~80,000円
上記の解体費用はあくまでも目安です。次章にて、解体費用が高額になりやすいケースを紹介していきます。
空き家の解体費用が高額になりやすい7つのケース
空き家の解体費用が高額になりやすいケースとして、次の7つが考えられます。
- 重機が入らない立地
- トラックの敷地への横付けが必要
- 石綿(アスベスト)を使用している建物
- 自然災害で崩壊した家屋
- 火災で焼損した家屋
- 空き家内部に荷物が残っている状態
- 地下室や浄化槽がある構造
高額になりやすい理由をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
重機が入らない立地
解体工事に使用するショベルカーなどの重機が入らない立地の場合は、人の手で廃棄物を運ぶことになるため、人件費が高騰しやすくなり、解体費用が高額になりやすいといわれています。
たとえば、以下のような立地の場合、重機が入らない可能性があります。
- 道路幅が細い
- 解体する建物が隣地に近い
また、道路幅だけでなく、道路との高低差がある場合も同様で、解体費用は高額になるでしょう。
トラックの敷地への横付けが必要
トラックが敷地内に入らず、横付けが必要な場合も、解体費用が高額になりやすいでしょう。
その理由としては、道路の使用許可を取得したり、道路に警備員を常時配置したりといった手間がかかるためです。解体を検討する際には、トラックの敷地への横付けが必要かどうかも確認しておくことをおすすめします。
石綿(アスベスト)を使用している建物
昔の建物には健康被害の原因となる石綿(アスベスト)が使われている場合もあり、解体前には石綿(アスベスト)の使用の有無を確認する調査が必要です。
石綿(アスベスト)の危険度は3段階に分かれており、最も危険なレベル1では、飛散防止のため建物全体をシートで覆って減圧処理を行う必要があります。そのため、解体費用も高額になりやすいでしょう。
特に、鉄筋コンクリート造の建物は、断熱材や仕上げ材などのさまざまな建材に石綿(アスベスト)が使われているケースがあるため注意が必要です。
自然災害で崩壊した家屋
地震や台風などの自然災害で家屋が崩壊した場合、廃材が広い範囲に飛散しているケースも珍しくありません。
そのため、被害を受けていない家屋と比較すると、自然災害で崩壊した家屋は廃材の回収および分別処理に手間がかかり、費用が高額になる可能性があります。
火災で焼損した家屋
火災で焼損した家屋は、作業中に倒壊するリスクが高く、より慎重に作業を進めなければなりません。
通常の家屋よりも解体に時間も手間もかかるため、費用が高くなるケースが多いです。
空き家内部に荷物が残っている状態
空き家内部に荷物が残っている場合は、解体費用だけではなく、荷物の処分費用が発生します。
解体業者が荷物を処分すると、産業廃棄物として処理されるため高額になるでしょう。
地下室や浄化槽がある構造
地下室や浄化槽など一般家庭では珍しい特殊な構造の場合、費用が高くなる可能性があります。
地下室の構造や浄化槽の個数によって金額は大きく変動するため、該当する場合はどれくらいの金額になるか事前に確認しておきましょう。
空き家の解体費用を抑えるコツ
空き家の解体費用は、時期や業者によって変動します。ここでは、解体費用を抑えるコツを見ていきましょう。
解体費用を抑えやすい時期を選ぶ
解体時期を意識して選ぶことで、解体費用を抑えられる可能性があります。具体的には、解体費用が高くなりがちな夏や冬を避けるとよいでしょう。
夏や冬は、梅雨や台風、猛暑、降雪の影響により解体作業が進みにくくなり、人件費が高くなりがちです。特に台風や大雪が起きると、工事の遅延を引き起こす可能性があります。
また、12~3月の解体業者の繁忙期は費用が高めに設定されているケースも多いといわれています。
解体現場から距離が近い業者を選ぶ
なるべく解体現場から距離が近い業者を選ぶのも、解体費用を抑えるコツの1つといえるでしょう。
トラックや重機の使用時間を考えると、解体現場との距離が遠いほど業者の費用は高くなりやすいです。
解体現場から近い複数の業者に見積もりを依頼し、費用を比較しながら検討してみましょう。
空き家の解体費用を自治体制度で軽減する方法
空き家の解体費用は、補助金制度が設けられている自治体であれば、その活用により費用を軽減することが可能です。
ほかにも、空き家を解体せずに自治体に寄付することで、解体費用や手間を軽減できる可能性があります。
ここでは、自治体制度を利用して空き家の解体費用を軽減する方法を解説します。
自治体の補助金を活用する
空き家の解体費用に、補助金を出す自治体もあります。補助金や助成金制度の例は以下のとおりです。
- 老朽危険家屋解体撤去補助金
- 都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金
また、自治体によっては廃棄物を無償もしくは格安で引き取ってもらえる廃棄物処理手数料の減免制度もあります。
解体を検討する際には、自治体が補助金制度に対応しているかどうか、確認しておくとよいでしょう。
空き家を自治体に寄付することもできる
自治体によっては、空き家を寄付する方法もあります。
たとえば、尼崎市では空き家が以下のような建物であれば寄付対象に該当します。
- 木造または軽量鉄骨造である
- 特定空家等または1981年5月31日以前に建築された住宅(非耐震)
- 長屋または共同住宅の一部ではない
ただし、空き家の寄付を受け付けている自治体の事業には、以下のような利用目的がなければ対象外になるケースもあるため注意が必要です。
- 防災倉庫置き場
- ポケットパーク(住宅街の小規模な公園)
- 住民の交流場所
参照:尼崎市「住まい・空き家対策 |空家等寄付受け事業」
参照:特定非営利活動法人空家・空地管理センター「よくあるご相談|空き家は自治体に寄附できるの?」
空き家を解体したあとの土地活用
空き家の解体費用を回収するために、空き家があった土地を活用するのであれば、以下のような選択肢があります。
- マンション経営
- 駐車場経営
- トランクルーム経営
マンション経営は、長期的な家賃収入や節税効果といったメリットがあります。一方で、マンションの建設費用や煩雑な管理業務が発生する点がデメリットです。
駐車場経営は少額の初期費用で狭い土地でも経営できる土地活用方法です。しかし、税制面での優遇が少ないため、固定資産税額が高額になる可能性があります。
トランクルーム経営とは

トランクルーム経営とは、土地に倉庫やコンテナを設置し、収納スペースとして貸し出す方法です。「駅から遠い」「変形地に該当する」などの立地でマンションや駐車場には向かないような場合は、トランクルーム経営がおすすめです。
近年トランクルームは個人や法人からの需要が高まっており、さまざまなシーンで利用されています。個人の場合は、自宅に入りきらない荷物や季節家電などの収納、引っ越しの際の荷物の一時置き場として利用されることが多く、また法人の場合は、備品や書類などの荷物置き場として利用されるケースがあります。
トランクルームの運用や管理の知識がなく不安な方には、エリアリンクへの委託をおすすめします。
エリアリンクにトランクルーム経営を任せるメリットは、以下のとおりです。
- 「10年間一括借り上げ」のため稼働率にかかわらず安定的な賃料収益が得られる
- トランクルームの運用・管理も代行してもらえる
- 初期費用を抑えやすい
トランクルーム経営に興味のある方は、ぜひお気軽にエリアリンクにお問い合わせください。
空き家の解体費用を理解して負担を抑えよう
本記事では、空き家の解体費用について詳しく解説しました。
空き家の解体費用は構造や規模などの要素によって大きく変動します。また、重機が入らない立地、石綿(アスベスト)を使用している建物などが原因となり、解体費用が高額になる可能性も否定できません。
解体費用をできるだけ抑えたい場合は、解体工事の閑散期や解体現場から距離が近い業者を選ぶとよいでしょう。
空き家解体後の土地をマンション経営や駐車場経営、トランクルーム経営などの土地活用に充てることで、解体費用の回収を目指す方法もあります。
土地の活用方法としてトランクルーム経営に興味のある方は、ぜひエリアリンクにお問い合わせください。
トランクルーム経営ならエリアリンクの「ハローストレージ」
エリアリンク株式会社は、「世の中に便利さと楽しさと感動を提供する」を理念に掲げ、トランクルーム「ハローストレージ」の運営を行うストレージ事業を中心に、ストック型ビジネスで安定性の高い経営を推進しています。
1995年の創業より着実に成長を続け、2003年に東京証券取引所マザーズに上場、2022年には東証スタンダード市場への移行もいたしました。
エリアリンクが展開するトランクルーム「ハローストレージ」は、全国に2,500物件以上・12万室以上を展開しており、業界最大規模、掲載物件数は全国No.1(※)です。
近年、トランクルームの認知度は高まりつつあり、市場規模が拡大傾向にある業界です。駅から遠い、地形が悪い、土地が狭いなどの理由から、マンション・アパート・駐車場経営が困難な土地でも、屋外型トランクルームなら有効活用できることから、遊休土地活用の選択肢として注目を集めています。
土地の活用方法にお困りの場合は、お気軽にお問い合わせください。
※2022年3月期 指定領域(※)における市場調査
調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
※屋内型、屋外型の合計掲載物件数・屋外型の掲載物件数において物件数 No.1
※「指定領域」=レンタルスペースの物件数の情報をWeb で公開している 8 社(エリアリンク社独自調査。2022年3月時点のウェブ上での屋内型、屋外型の合計掲載物件数・屋外型の掲載物件数上位8社)を対象として、物件数を No.1 検証調査

監修:桜井鉄郎
東証プライム上場の金融機関で主に住宅ローンの相談販売を担当(相談件数:約2,000件)。FPの視点で顧客に最適な返済プランや返済開始後のライフプランを提案。マイホーム購入に関連する法令・税額控除制度等についても説明。