駐車場経営は儲からない?経営形態や運営方式、4つのメリットも紹介

土地の活用

掲載日:2025年11月05日
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駐車場経営は土地活用の選択肢の1つとして挙げられます。初期費用が少なく比較的手間がかからないといわれていますが、収益性が立地や需要に左右されやすく、税金が高くなりがちといった点も理解しておかなければなりません。条件次第では赤字になることもあるため、事前によくシミュレーションすることが大切です。

本記事では、駐車場経営の運営方式やメリット・デメリット、収益化の判断軸、成功のコツまでを網羅的にご紹介します。ぜひ参考にしてください。

目次

駐車場経営は儲からないといわれる理由

駐車場経営は「儲からない」といわれることもあります。その背景には、以下のような理由が考えられます。

  • 収益性が立地と需要に依存する
  • 競合の出現による料金下落リスクがある
  • 税負担・ランニングコストがかかる

それぞれについて詳しく解説します。

収益性が立地と需要に依存する

駐車場経営の収益性は、立地と需要に左右されます。たとえば、複数路線が乗り入れる大きな駅や大型の商業施設、オフィスビルが多い地域などは年間を通して高い需要が見込まれるため、安定した収益を確保しやすいでしょう。

一方で、商業施設が少なく交通量が乏しい郊外などは稼働率が低くなる傾向があります。また、場所によっては繁忙期と閑散期の稼働率の差が激しいケースもあるでしょう。

そのため、駐車場経営をスタートするにあたっては周辺の施設や交通量などを事前に把握し、年間を通してどのくらいの収益が期待できるかを試算しておくことが大切です。

競合の出現による料金下落リスクがある

周辺に新たな駐車場がオープンすると、料金を下げざるを得ない状況に陥る可能性があります。駐車場経営は比較的参入しやすいビジネス形態であり、土地活用を考えるにあたって選ばれることの多い手法です。そのため、競合が出現しやすいともいえるでしょう。

また、駐車場は付加価値を提供して、その分を料金に転嫁することが難しいです。基本的に、利用者は料金を基準に駐車場を選ぶため、周辺の駐車場の料金設定に足並みを揃える必要があります。

周囲の駐車場との料金競争が始まると、当初の設定より大幅に料金を下げなければならない場合もあるでしょう。そうなると、期待していた収益が得られなくなる可能性もあり、さらには長期的な稼働率低下のリスクも懸念されます。

税負担・ランニングコストがかかる

駐車場経営には税負担があったりランニングコストがかかったりするため、収益を計算する際は必ずこれらのコストを反映させる必要があります。

特に、駐車場として利用されている土地は、ほとんどの場合、雑種地として評価される点に注意が必要です。

住宅用地の場合、小規模住宅用地の200㎡以下の固定資産税の課税標準は6分の1、200㎡を超えた部分の一般住宅用地は3分の1に軽減されます。これに対して、駐車場は雑種地に分類されるため、一般的に固定資産税が高くなります。住宅用地とは異なり固定資産税の特例措置を受けられないこともよく理解しておきましょう。

また、初期費用として舗装費用や料金精算機などの設備の設置費用なども挙げられます。ランニングコストとしては、設備のメンテナンス料や保険料、清掃費などが想定されるでしょう。

参照:国税庁「No.4627 貸駐車場として利用している土地の評価」
参照:国税庁「No.6213 駐車場の使用料など」

駐車場経営の形態と運営方式

駐車場経営をするうえでは、以下の2点についての詳しい理解が欠かせません。

  • 駐車場の形態
  • 運営方式

それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、土地の条件や自身のニーズに合った方法を選択することが大切です。1つずつ詳しくみていきましょう。

駐車場の形態

駐車場の形態には、月極駐車場とコインパーキングがあります。それぞれの詳細をご紹介します。

月極駐車場

<概要>

  • 毎月固定料金で契約する
  • 住宅街やオフィス街で需要が高い
  • 安定した収入を確保できるが、稼働率が低いと収益性に大きな影響が生じる

<メリット>

  • 長期契約が前提のため、安定収入が見込める
  • 初期費用を抑えられる

<デメリット>

  • 需要が低いと長期間空き区画が発生するリスクがある
  • 契約管理や集金の手間が発生する

コインパーキング

<概要>

  • 時間貸し
  • 稼働率が高ければ高収益が期待できる
  • 立地と需要予測が重要

<メリット>

  • 短時間の利用でも売り上げが発生する
  • 観光シーズンやイベント開催時には高い稼働率が見込まれる
  • 駅近や商業施設付近の需要が高い

<デメリット>

  • システムなどの初期費用やランニングコストがかかる

運営方式

駐車場の運営方式には、自主管理方式と管理委託方式、一括借り上げ方式の3つが挙げられます。各方式の概要やメリット・デメリットは、以下のとおりです。

自主管理方式

<概要>

  • 駐車場の運営や管理をすべて自身で行う
  • 管理会社に支払う費用などを抑えられるが、手間と知識が必要

<メリット>

  • 全収益を自身で得られる

<デメリット>

  • 清掃や集金、設備のメンテナンスなど、駐車場の管理運営に関わるすべての業務を自身で行うため、負担が大きい
  • 市場調査や利用者獲得のための対策が求められる

管理委託方式

<概要>

  • 業者に運営を委託するため、手間が省ける
  • 収益に応じた手数料がかかる

<メリット>

  • 管理業務をすべて任せられる安心感がある
  • 遠方に土地を所有している場合でも問題なく運営できる

<デメリット>

  • 業者に支払う手数料が発生する
  • 契約内容の精査が重要

一括借り上げ方式

<概要>

  • 土地を運営会社に貸し出す
  • 利用状況に関係なく一定の賃料を受け取れる

<メリット>

  • 初期費用負担がない
  • 駐車場の管理運営は運営会社が行うため、安定収入が見込める

<デメリット>

  • 契約した賃料を超える収入は得られない
  • 運営会社が倒産した場合、賃料が得られない

駐車場経営の4つのメリット

駐車場経営のメリットとしては、以下の4点が挙げられます。

  • 初期費用と準備期間が少ない
  • 狭小地や変形地でも運営可能
  • 建物より維持管理が簡単
  • 他業態への転用が容易

それぞれについて詳しく解説します。

初期費用と準備期間が少ない

ほかのビジネスと比較すると初期費用と準備期間が少ない点は、駐車場経営の大きなメリットです。

アパートやマンションの経営のように建物を建設する必要がないため、初期費用が大きく抑えられます。特に、月極駐車場は特別な設備を準備する必要がないため、数十万円から開業が可能です。

また、届出の許認可や設計期間が短くて済むため、短期間で収益化できる点も魅力の1つです。建築物の場合は、建築確認申請などの手続きが必須です。さらに、設計から竣工までに年単位で時間がかかることもあります。駐車場経営の場合は、舗装工事と必要な設備の準備が済めば、すぐに営業を開始できるでしょう。

狭小地や変形地でも運営可能

駐車場経営は、狭小地や変形地など、一般的に活用が難しいとされる土地でも運営可能です。

建物を建てる際は建築基準法や自治体が定める条例などを守らなければならず、土地の条件によっては建設が難しい場合があるでしょう。これに対して、駐車場の場合は、車1台分の空間を確保できれば運営可能なため、収益化のハードルが低いといえます。

特に月極駐車場の場合は、土地の形状に合わせて自由に区画を設定できるため、15~20坪以下の狭小地や、四角く整っていない変形地でも収益化が狙えます。

建物より維持管理が簡単

アパートやマンションなどの建物と比較すると、修繕や管理の手間が少ない点も駐車場経営のメリットといえるでしょう。必要な業務は、日常的な掃除と軽微な補修程度です。毎日必ずしなければならない業務は特にないため、手間をかけずに収益化できます。

駐車場が自宅から離れていて自身で管理することが難しい場合でも、管理委託方式を選べば収益を得ることが可能です。修繕費や税金、保険料などのランニングコストが比較的少ない点も駐車場経営のメリットといえるでしょう。

他業態への転用が容易

他業態への転用が容易なことも、駐車場経営のメリットです。転用とは、現在の土地活用法を異なる土地活用法へ変更することを指します。駐車場の場合は、アパートやマンションのように建築物がないためすぐに更地に戻すことができ、転用しやすいといわれています。

たとえば、アパート経営をしているオーナーが他業態へ転用する場合、入居者への説明や交渉、アパートの取り壊しなど、多大なコストと手間がかかります。

これに対し、機械式駐車装置や立体駐車場などの建築物がない駐車場であれば、転用のための準備がスムーズに進行するでしょう。

駐車場経営だけじゃない!土地を活用した「トランクルーム経営」とは?

屋外型トランクルーム

土地活用の選択肢の1つとして駐車場経営について解説しましたが、狭小地や変形地でも活用できる土地活用の方法は、駐車場だけではありません。

トランクルームは、交通量の少ない場所や駅から離れた場所など、駐車場経営が難しい土地でも収益を得ることが可能です。住宅やオフィスビルが多い場所は、収納スペースの需要が高い可能性が高く、トランクルーム経営に向いています。

トランクルームやトランクルーム経営について、さらに詳しく解説します。

トランクルームとは

トランクルームとは、自宅の収納の延長として利用できる収納スペースのことです。マンションなどの賃貸契約と同じように、利用したいトランクルームを契約して初期費用や月額利用料を支払い、レンタルします。

トランクルームには、屋外型トランクルームや屋内型トランクルーム、バイク専用トランクルームなど、さまざまなタイプがあり、収納したい物や量に応じて選択可能です。

自宅以外の第2の収納場所として活用したり、一時的な荷物置き場として利用したりするなど、さまざまな活用方法があります。

トランクルーム経営のメリット

駅から遠いなど、駐車場経営ではデメリットになりそうな土地でも、トランクルームなら有効活用できます。たとえば、エリアリンクのトランクルーム「ハローストレージ」の特徴は、以下のとおりです。

  • 「10年間一括借り上げ」のため、稼働率にかかわらず安定的な賃料収入が得られる
  • トランクルームの運用・管理も代行してもらえる
  • 駐車場経営と同じように、建物を建設する場合に比べて初期費用を抑えやすい

将来的な収益の見通しが立てやすい点は、大きなメリットです。また、トランクルーム利用者の募集や契約、賃料の集金をはじめ、施設の清掃やメンテナンスなどもすべてエリアリンクが代行するため、手間がかかりません。エリアリンクの認知度やノウハウをいかして、自身の土地を有効活用してみましょう。

【お問い合わせ・資料請求はこちら】

駐車場経営で儲かるかは条件次第!ほかの土地活用方法も検討しよう

駐車場経営は少ない初期費用でスタートでき、狭小地や変形地などの土地でも運営できる柔軟性の高い土地活用法です。ただし、安定した収益が得られるかは立地や需要に左右されます。また、付近に新しい駐車場ができるなど、周辺環境の変化によっては期待していた収益が得られなくなるリスクも考えられるでしょう。

土地活用の方法にはさまざまな選択肢があり、トランクルーム経営もその1つです。トランクルームなら、駐車場としての需要が低い土地でも収益を得られる可能性があります。ぜひ、トランクルームを活用した土地活用法をご検討ください。

【お問い合わせ・資料請求はこちら】

トランクルーム経営ならエリアリンクの「ハローストレージ」

エリアリンク株式会社は、「世の中に便利さと楽しさと感動を提供する」を理念に掲げ、トランクルーム「ハローストレージ」の運営を行うストレージ事業を中心に、ストック型ビジネスで安定性の高い経営を推進しています。

1995年の創業より着実に成長を続け、2003年に東京証券取引所マザーズに上場、2022年には東証スタンダード市場への移行もいたしました。

エリアリンクが展開するトランクルーム「ハローストレージ」は、全国に2,500物件以上・12万室以上を展開しており、業界最大規模、掲載物件数は全国No.1(※)です。

近年、トランクルームの認知度は高まりつつあり、市場規模が拡大傾向にある業界です。駅から遠い、地形が悪い、土地が狭いなどの理由から、マンション・アパート・駐車場経営が困難な土地でも、屋外型トランクルームなら有効活用できることから、遊休土地活用の選択肢として注目を集めています。

土地の活用方法にお困りの場合は、お気軽にお問い合わせください。

※2022年3月期 指定領域(※)における市場調査
調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
※屋内型、屋外型の合計掲載物件数・屋外型の掲載物件数において物件数 No.1
※「指定領域」=レンタルスペースの物件数の情報をWeb で公開している 8 社(エリアリンク社独自調査。2022年3月時点のウェブ上での屋内型、屋外型の合計掲載物件数・屋外型の掲載物件数上位8社)を対象として、物件数を No.1 検証調査

<エリアリンク株式会社 公式ホームページはこちら>

桜井鉄郎さん

監修:桜井鉄郎

東証プライム上場の金融機関で主に住宅ローンの相談販売を担当(相談件数:約2,000件)。FPの視点で顧客に最適な返済プランや返済開始後のライフプランを提案。マイホーム購入に関連する法令・税額控除制度等についても説明。